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増税は駄策だ!『図解経済学入門』感想

高橋洋一著『たった一つの図でわかる!図解経済学入門』のざっくり感想メモ


消費税増税」と聞くとほとんどすべての人が不快な感情を持つが、
高橋洋一は増税がいかに駄策であるか経済理論を用いて否定する。

高橋洋一は東大を卒業後大蔵省に入省し、現在は内閣官房参与も勤めている天才エリートである。
しかし、内容は小難しいものではなく、本当に図一つを用いて、現在私たちの身の回りに起こっている経済政策を説明してくれている。

本著の最後で、小難しい経済学の本は用語が多いだけで実際の社会では使えない、と言っている。
この本では、実際に武器として使えるものだけを選んで、実社会と照らし合わせて書かれている。

何よりシンプルに書かれていて、分かりやすい。
新聞やテレビで見る経済政策について、「そうだったのか」と思うことばかりであった。


アベノミクス

日本でもやったことがない比較的新しい経済政策も行われるようだが、
この本を読むと、そういった政策もシンプルなものであると感じる。

アベノミクスは2012年に打ち出された新しい経済政策である。
しかし、アベノミクスは動かす金額が多い大胆な政策なだけで、「インフレターゲット」と「量的緩和」の2つを使って、金融政策をするシンプルなものであることが分かる。
そして、アベノミクスを打ち出すと、需要と供給がどのように変化し、私たちの生活にどのように関わるかがに分かった。

アベノミクスだけでなく、どういった経済政策がインフレ率や為替に影響するかが、1つの図を使って理由を説明して書かれて、とても納得感があり、理解がしやすかった。


増税は国民の足を引っ張る

そもそも税金は政府の収入を増やすものであって、最終的は政府が民間に対してお金を使うのだから、総需要は変わらない
しかし、政府は利益を求めるわけではないので、民間ほどお金の使い方が上手ではない。
国民からお金を取る増税をひかえて、民間がお金を使う方が経済が回るという。

増税によって政府の支出による需要がアップするが、国民の消費はダウンする。ダウンがアップを上回ってしまうと景気が悪い状態になる。

東日本大震災の復興増税が行われたが、国民消費ダウンが政府需要アップを上回ってしまい、景気が低迷した。

増税」と聞くと払うお金の量が多くなり、感情的に否定的になるが、経済理論的にも増税はするべきではないと分かった。
高橋洋一も「増税」には否定的であった。


まとめ

本著では、身の回りでおこっいる経済がわかりやすく書かれている。
1回説明を聞いたからといって必ずしも理解できるものでもないが、
これからの政府の政策の理解につながることは間違いないと思った。

日銀の役割からTPPなどの貿易協定の話まで、様々な内容が取り上げられ、そのすべての分野で納得感がり、理解することができた。

硬い経済学入門で経済を理解するより、本著を読んで見るといいだろう。

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