闘病記録 ま と め (双極性障害Ⅱ型)
社会人1年目の冬、風呂場で体育座りで動けなくなっていた。
そんな形で突然発症したうつ症状と、双極性障害。
その闘病経緯をまとめたnoteです。
23歳、うつ病の診断
26歳、双極性障害へ診断変更
27歳、休職/闘病中です(2020年6月)
なんて読んで頂けますと
とても嬉しいです( *´꒳`* )
01 発症
・・・
ベンチャー企業での
・長時間労働
・人間関係での疲弊
・仕事での不甲斐なさ
これらが原因で僕は「うつ症状」を発症しました。
熱血漢、体育会経験あり、
リーダー経験もあり、夢もある
そして誰よりも気合を入れて就活を行った
そんな自信が、
当時の僕にはありました。
ここしかない!
そう思って飛び込んだベンチャー企業で
打ちのめされた
理想と現実の大きな差。
入社してからたくさんの大口を叩いたくせに
僕は1年目にして「ポキッ」と折れてしまいました。
・・・
結局その日は無断欠勤。
同棲していたパートナーに
夕方風呂場で発見され、
悲鳴とともに心療内科へ連れて行かれました。
02 映画でしか見た事ない精神科
30分ほどの口頭での簡単な問診の末、
”おそらく”
過労による「うつ症状」でしょう。
”とりあえず”
ゆっくり寝てください。
”とりあえず”
睡眠薬と抗うつ薬を出しておきます。
・・・
なんて曖昧な診断なんだ!!!
いま僕に起こっていることは何なんだ!!!
頼むからもっと説明してくれ・・・
そんな悲しい気持ちになったことを
よく覚えています。
”とりあえず”
僕の闘病生活がスタートしました。
03 延長を重ねる休職(4ヶ月)
・・・
▼1ヶ月目
○とにかく寝てばかりでした
○少し元気があるときは
家事とゲームをしてました
○同棲していた彼女に毎日謝っていました
○寝たら少し元気になりました
○1ヶ月で復職するぞ!
と思った矢先、すぐに再発しました。
▼2~3ヶ月目
○1ヶ月目に復職できなったショックで、
すごい勢いで鬱が加速しました
○悪夢で寝れない
○水しか食べれない
○ヒゲもそれない
○お風呂すら入れないときも
○そして希死念慮
パートナーの存在が
なんとか命を繋いでくれました。
▼4ヶ月目
○ひたすらに休養しました
○ようやく症状が落ち着きました
○病院へ行き、
復職許可を得られました
○数日通勤訓練をし、
復職をしました
・・・
「ようやく仕事に戻れる・・・」
人生で最も長い4ヶ月間だったように感じられました。
04 復職のリアルさ
復職後は人事の目が届くという理由から、
本社勤めになりました
仕事内容も変わりました。
自分の為の配慮だとは分かっていますが、
以前より事務的な仕事に
悔しさを日々感じていました。
本社での人間関係も新たにスタートです。
『勝手に潰れて勝手に休職してたんじゃないか』
そう思われているような気がして、
誰にも弱音は吐けませんでした。
本社にいれば同世代の活躍が目に入ります。
比べたっていいことなんてない
頭ではわかっても、
心が追いついてきませんでした。
以前とは違う自分には
想像以上に苦しいことばかりでした。
「うつ症状」の影が、
再び忍び寄っていました。
05 2回目の休職(2ヶ月)、そして退職
また心療内科に行きました。
今度の診断名は『反復うつ性障害』。
僕の会社は6ヶ月間が、
休職限界月数でした。
期限を迎えた月、
僕は未だ家から出られる状況ではありませんでした。
そのまま僕は「自然退職」という形で
新卒の会社を去ることになりました。
本社での勤務が苦しかったことから、
おそらく僕の居場所は、
ココにはもうないのだろうと感じていました。
あんなにも志して新卒入社した会社でしたが、
退職は、悲しむ暇もなく進みました。
06 うつ病を抱えた転職活動
早く仕事をしたかった僕は、
転職活動をどんどんと進めました。
自己分析
職務履歴書の準備
企業研究等
エントリー・・・
当時の僕には、
こんな思いが芽生え始めていました。
そんな思いを実現できる
ぴったりな会社と出会うことが出来ました。
ココしかない。
そう思い面接に挑み、
無事に内定を頂きました。
なぜかこの頃には、
タイミングよくうつ病の症状も無くなりました。
人生の第2幕をスタートさせるぞおおーー!
しかし、僕はこのとき
足元がゆるゆるでした。
うつ病はとにかく、
とにかく再発リスクが高い病です
※1回目発症した人の再発率は約50%
2回目発症した人の再発率は約70%
僕は2回うつを発症していたので
なんの対策もしなければ、ほぼ確実に再発します。
しかし、なんの再発予防もしませんでした。
というか何をすればいいのか、情報がありませんでした。
なんなら
職場には鬱を隠して入社したため、
【若い元気な即戦力】として迎え入れられました。
これが見事に3回目の休職を引き起こす原因になりました。
07 3回目の休職(1年6ヶ月)
新たな仕事に加え、
他にも社内イベントの企画や、
新規案件を取りに行く、
副業の準備をすすめる、
新規事業の提案準備をすすめる、
などなど分かりやすい「躁モード」でもありました。
やりたいことに対して能力が追いついておらず
結果、空回りしまくった僕は、
3ヶ月連続のノルマ未達成でした。
人生再スタートだ!と意気込んだのに、
『もしかしたらココでもダメなんじゃないか・・・』
不安が少しずつ大きくなっていました。
しかし、僕の口癖は
『大丈夫です。来月見ててください。』
焦り始めていた僕は、
仕事を持ち帰り始め、
睡眠が削られ、食事も疎かになっていました。
・・・
ある日、
クライアントからの
電話を取る手が震えていました。
その電話を終えたあと、
僕の中の何かの糸が切れ、
パソコンもスマホも、僕は衣服の下に押し込んで。
ベッドで頭を抱えはじめました。
『怖い。仕事をするのが怖い。』
3度目の、うつ症状の再発でした。
その日、
僕は入社5ヶ月目にして会社を無断欠勤
すぐに上司から連絡がきました。
僕は過去のうつ経験を話しました。
上司はゆっくり話を聞いてから
『つらかったね。仕事は大丈夫だから。
休職をとって一緒にゆっくり考えよう』
そう言ってくれました。
人生で3度目の休職となりました。
そしてこの休職は、現在も続いています。
現在(2020年7月時点)で、
1年3ヶ月目を迎えたこの休職は、
1年6ヶ月までかかる予定です。
それから先は復職の予定です。
しかし、まだ本当に戻れるかどうかはわかりません。
今も僕は、休職中で、闘病中です。
09 新たな可能性『双極性障害』
通院6ヶ月目、
あまりにもうつ症状が治らないことから
医師は新たな病気の可能性を疑い始めました。
『もう一度君の人生を聞いてみてもいいかな?』
僕の人生経験を医師に話していくと、
鬱エピソードと同じくらい、
どうも【異様に頑張っている時期(エピソード)】があることが
分かってきました。
いわゆる【軽躁エピソード】というやつでした。
『こりゃ、双極性障害かもしれないな』
な・・・なんだそれは・・・?
これまで、僕はただ単に
「僕は、熱いやつなんだ」
「僕は、たまにビックマウス(大口をたたく)なやつなんだ」
と思っていました。
周りからもそう思われていたんじゃないかな。。。笑
一旦、双極性に効く薬に変えてみようか?
医師から、そう提案されました。
なんととすぐに効果が出ました。
(気分が落ち着いた)
僕が何度も再発している理由、
そして今回の治療が長期化した要因は、
僕が躁状態とうつ状態を繰り返したことです。
鬱状態(約3ヶ月)
→しっかり通院。服薬もする。
躁状態(約1ヶ月)
→治った!と思い通院やめる。外で活動的になる。
また鬱状態へ・・・
こんな風に、鬱と躁を繰り返し、
なかなか安定通院することが出来ませんでした。
僕が「調子いい!」と思ったときこそ、
まさに治療が必要なときでした。
8ヶ月ほどかけてようやく僕は
通院/服薬の生活習慣が身につき、
安定して治療に専念できるようになりました。
そして通院1年が経ち、ついに、
医師から『復職許可』を得ることが出来ました。
10 ※双極性障害について補足
※少し専門的で、興味が在る方のための章です
双極性障害は、うつ病とは異なる病気とされています。
その特徴を私が把握している範囲で書き記します。
■■■双極性障害の名称■■■
少し前までは「躁うつ病」と呼ばれていました。
現在は、うつ病とは異なる病気ということが明確になり始め、
「双極性障害(双極性感情障害)」という名称で統一されました。
障害、という響きを懸念して「双極症」と呼ばれることもあるそうです。
■■■双極性障害の種類■■■
双極性障害は、さらに2つに分けられます。
※筆者はⅡ型です
■■■双極性障害とうつ病の違い■■■
○ うつ病:約15人に一人発症
双極性障害:約100人に一人発症
○ うつ病:男女比1:2
双極性障害:男女比1:1
○ うつ病:平均発症年齢が30代
双極性障害:平均発症年齢が20代
○ うつ病:罹りやすい性格傾向がある
双極性障害:どんな性格でもなりうる
○ うつ病:主に「抗うつ薬」で治療
双極性障害:主に「気分安定薬」で治療
■■■双極性障害の原因■■■
残念ながら現在の医学を持ってしても、
原因は明確になっていないようです。
しかし「脳」「遺伝子」の関係は確かだと指摘されています。
■■■双極性障害の治療方法■■■
基本的には「完治」ではなく「寛解」を目指して治療します。
「薬物療法」にて症状を抑え、
「精神療法」「生活基盤見直し」で再発予防を行い寛解させる。
といった感じです。
■■■双極性障害の診断の難しさ■■■
○患者は「鬱」のときに診療に訪れるため、
医師は双極性であることを見抜きにくいそうです。
(だいたい鬱病と診断される)
(初診から発見まで平均7年という報告も)
○多くの場合、抗うつ薬だけの服用では治らないため
しばらくして「躁」へ変化したタイミングで、
患者自身が「治った!」と勘違いし、
通院を勝手にやめてしまうことが多いようです
○もちろん、通院をやめれば再発するため、
うつ病より寛解まで長期化しやすいとも言われている。
11 リワーク(リハビリ)という選択肢
※話は戻りまして・・・
リワークってなんだ?
正直、この提案を受けたときの心理は
ここからさらに数ヶ月のリハビリ・・・
うそだろ・・・
もう時間を無駄にしたくないのに・・・
という絶望感でした。
しかし、
僕はすでに3回の休職を経験。
これ以上は絶対に、
絶対に人生を無駄にしたくないという強い思いがありました。
医師もリワークの有効性をおっしゃっていたため、
活用することを決めました。
僕は、このサイトをもとに6つのリワーク実施機関へ
見学へ行ってみました。
納得のいくリワーク施設と出会うことができ、
僕はプログラムを受ける運びとなりました。
現在、そこに通い始めて2週間ほどです。
主なプログラムは以下のようなもの。
□ 生活習慣の自己管理プログラム
□ 認知行動療法
□ 対人関係療法
□ 心理教育(食事・運動・睡眠・身体)
□ セルフモニタリング
□ ストレングス
□ エンカウンター
□ コーピング
□ アサーション
たった2週間ですが、
すでに再発予防に有用性を感じています。
やはり臨床心理士が毎日アドバイスを下さるのは、
気付きが多くとても有り難いです。
こちらは引き続き気づきがあれば記事にしたいと思っています。
12 現在
あの苦しかったときに比較すれば、
いまこうして日々リワーク機関に通い、
プログラムに参加できていることが、
心から嬉しい。
心から自分を褒めてあげたい。
そんなふうに思えます。
とはいえ、
実は昨日、僕はひどいうつ症状が出ていました。
起きてから寝るまで、
5回くらいしか立ち上がることが出来ませんでした。
もちろんリワークは急遽欠席しました。
今朝も、まだうつ症状は残っていました。
リワークは午後から行くことが出来ました。
まだまだ完全には回復していません。
気を緩めるとすぐに出てきます。
うつ症状が出ちゃったときは決まって、
さっきの小綺麗な「今は幸せだ」なんて思いは消え去って、
「なんで俺が・・・」
「俺の消えた時間はもう戻らない・・・」
なーんて、
過去や病気を永遠に恨んだり自己否定したり、
頭がごちゃごちゃ忙しくしてます。笑
でもでも、
丸1日動けないほどのうつ症状が出て、
翌日の午後には外に出ているなんて、
今までの僕からすればあり得ないことでした。
本当に少しずつ、少しずつ、
双極性障害Ⅱ型との付き合い方も分かってきたのだと思っています。。。
これからも、
少しずつ、少しずつ、
この不思議な病との付き合い方を模索していこうと思います。
(2020年7月3日 執筆)
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