やんごとなき休日

おうちでまったり読書をする。

今日はまさにそれをやった。

少し窓を開けて部屋の空気を入れ替えながら、かすかな雨の匂いをかぐ。

昨夜買ったコンビニのカフェオレグランデサイズを持ってきたテーブルには、庭から摘んできた花がプリンの空き瓶に飾られている。母がおすそ分けしてくれたものだ。
庭にいても気が付かないけど、部屋にあると花の香りを感じる。

YouTubeで「カフェ ミュージック」と検索すると、いい感じのbgmがすぐに流せる。



著名人のエッセイを読むのはドキドキする。
わたしたちは、その人の一部分を見てどんな人なのか勝手なイメージを持ってしまうけど、エッセイを読むと今まで見えていなかった部分に触れることになるからだ。
それが、単に面白くもあり、自分がどれだけ自分勝手なフィルター越しに人や物を見ているのかに気が付くのが恐ろしくもある。

口数が少なそうで、落ち着いた、ゆるり、ふわりというワードが似合う人こそ、心の中は賑やかだったりする。

わたしもどちらかというとそのタイプで、周りから持たれているイメージと、実際の自分自身にギャップを感じて戸惑うことも多いので、同じ匂いを感じる人のエッセイはどうしても気になってしまう。

もちろん、だからといってわたしが中村倫也さんと肩を並べるような人間だと言いたい訳ではない。ほんとに。

そう、今日は中村倫也さんの『THEやんごとなき雑談』を読んだ。

発売されてすぐに購入したけれど、中村倫也さんの中身を覗いているようで、なんだかドキドキするような、もったいないような、少しずつ、お高いチョコレートを食べるように読み進めていた。
でも、今日はせっかく読書環境を整えたので、残りの半分程を一気に読ませていただいた。


思っていたとおり、ふんわりしたイメージの裏には、さまざまな感情や思考が交錯していて、とっても人間らしくて、つい好きになってしまった。はい、好きです。

そういえば、わたしは他人のエッセイを読むとその人のことを簡単に好きになってしまいがちだ。わたしのことを落としたければエッセイ集を作ってみなさい。(?)

特に、一見して頭の中身を想像しづらい方だとそうだ。(いろんな人に失礼な言い方になってしまったかもしれない。)

たった1冊読んだだけで多くを知った気になってしまうのもよくないとわかっていながら。

ただそれくらい、曝け出している感じがこのエッセイ集からも伝わってきた。

気になったことはすぐによく調べ、物事に対しても、演じる役に対しても、そして自分自身に対しても深く深く探求される方なのだと感じた。
それがとても素敵。

ぜひこれからも脳内ぐちゃぐちゃにしていてほしい。

日々に忙殺されかけていた今、まさに「やんごとなき」な「雑談」に癒された。「疲れているから、癒しを感じる。楽しいだけじゃないから、愉しみを見出せる。」うん、そうだった、そうだった。
おかげでいい休日になった。

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