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【日記エッセイ】「自意識と入院と花見」
映画サークルに入会することになった僕は映画サークルの新入生歓迎お花見に参加した。花見は河川敷で行われた。様々な先輩がいて、このサークルに入ろうとしている新入生の人たちもたくさんいた。しかしサークルの会長は入院中らしく不在だった。
賑やかに花見が始める。先輩と新入生がごちゃ混ぜになった円がブルーシートの上に複数できる。各円で先輩たちが話を盛り上げて新入生たちを掘り下げている。新入生たちも好きなことや自分の趣味について積極的に話している。
そんな中、過剰な自意識と極端な人見知りのミルフィーユだった僕は花見でみんなが作る円の外でブルーシートの角に1人座って外側を向いて川を眺めていた。激ヤバミルフィーユである。
僕は花見がどうでも良かったんじゃなく、どうでも良くなさ過ぎたのだ。すると、理想が高くなって返って何もできなくなる。そんな奴なのだ。
そこに救いの手が差し伸べられた。
側から見れば尖り散らしている僕に1つ上の大阪弁が強い女の先輩が話しかけれくれた。
先輩は新入生の僕に優しい口調で「一緒にこっち来て話そうや」と言ってくれた。
一世一代の大チャンスである!!
それに対して僕はなんと
「結構です」とお断りしたのである。
そんな僕に今の僕が言えることは
じゃお前そもそも花見に来んなよ!!
である。
僕は大バカ野郎なのである。自らの足で花見に来ておいて一言も喋らない僕はどうかしている。
花見は楽しげに続いていく。
チャンスを逃した僕は外側を向いてまだ川を眺めていた。すると、急に内側の円が爆笑に包まれた。何事かと思って僕は振り向いた。
そこには入院着姿の会長が点滴を刺したまま立っていた。
入院中だった会長は病院を脱走して花見にやってきたのである!
隣で点滴の輸液バックを持ったカラフルな服を着た先輩がヒッヒッヒっと笑っている。
カラフルな先輩が会長にタバコを差し出す、会長はタバコを咥え、カラフルな先輩は火をつける。会長はタバコを深く吸って、もわーっと煙を吐いた。
まさかの会長の登場に花見は大いに盛り上がっている。もちろんドン引きして一切笑ってない人もいた。
それを見ていた僕はというと、良い悪いは置いといて、会長のその行動と川を眺めることしかできない自分との差に落ち込んでいた。
花見を身を削って盛り上げた会長は他のサークル員に連れられ病院へ戻っていった。
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