マガジンのカバー画像

ぷらっとほーむ

59
運営しているクリエイター

#コミュニケーション

「自己満足!」批判が成立するための条件。

「自己満足!」批判が成立するための条件。

■「ぷらほ」では、利用者や関係者のオンライン上での交流の場として、インターネットの掲示板を設置し、運営している。最近そこに、匿名のある個人の方から「ぷらほ」を批判する書き込みがあった。その方いわく、「ぷらっとほーむは私から見れば[子どもの自立からほど遠く]自己満足のサークルにしか見えません」とのこと。反論はありとあらゆるレヴェルで可能だが、ここでは「自己満足」をキーワードに考えてみたい。

■そも

もっとみる
「立ち直る」「社会に出る」という短絡。

「立ち直る」「社会に出る」という短絡。

■最近、ぷらっとほーむのメンバーとともに、山形県内の他の居場所や当事者グループの人たちと交流する場面がいくつかあった。他者と遭遇し、言葉を交わすことは、ふだん自分たちが無意識に前提にしていること、当たり前だと思っていることが、他の人たちにとっていかに当たり前でないかということに気づける貴重な機会である。他の人たちにとって当たり前でない、自分たちに固有の語法や志向のことを「個性」という。では、ぷらっ

もっとみる
「意味のないやりとり」の重要な意味。

「意味のないやりとり」の重要な意味。

■最近のぷらっとほーむでは、こんなやりとりが流行している。ある常連メンバーゆりこさん(仮名)とスタッフのやりとりが発端なのだが、あるとき、スタッフが彼女の名前を呼ぶにあたり、「うりこさん」とボケ始めた。ゆりこさん(仮名)はそれに対し、冷静に「“う”じゃないです」とツッコミを入れる。一過性のやりとりかと思われたが、ふたりのやりとりが周囲にウケまくるに及んで、次第に定型句と化し、二人以外にも「やりとり

もっとみる
メタ・コミュニケーションのすすめ

メタ・コミュニケーションのすすめ

■ぷらっとほーむでは日常的に、コミュニケーションをめぐるコミュニケーション(メタ・コミュニケーション)、会話をめぐる会話(メタ会話)が展開される。会話やコミュニケーションが苦手ゆえ、その練習をしたいというメンバーの求めに応じて、スタッフの側が意識してその場面を設けるようになったためであるが、これが、当初予想していた以上に、豊かな学びの機会をわたしたち双方にもたらしてくれているように思う。今回は、そ

もっとみる
氾濫する「コミュニケーション」

氾濫する「コミュニケーション」

■最近至るところで、「コミュニケーションのすすめ」的な煽り文句を耳にするようになった。「こころの交流」や「ふれあい」、「こころの理解」といった語彙がそうだし、「相手の気持ちを思いやれ」とか「場の空気を読め」とかいった言説もそれに含まれるだろう。自分もまた、動機づけに照準した空間設計(居場所づくり)という領域で活動してきたわけで、そうした用語法と無縁なわけではない。とはいえ、そうした「コミュニケーシ

もっとみる