昭和な会社が強い スマホ・パソコンを捨てる 2014.02.17 Vol.52 2/2 2014-04-28 21:05:50
【『日経ビジネス』の特集記事 】 Vol.52 バックナンバー
⭐『日経ビジネス』とは、「日経BPから発行されている経済・経営分野の話題を扱う週刊誌である。1969年9月創刊。当初は月刊だったが、翌1970年9月より隔週刊となり、1991年4月より週刊となった」(出所:「日経ビジネス」 Wikipedia)
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐当面は、Ameba(アメブロ)に投稿していた記事を再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、「バックナンバー」と表示し投稿します。
⭐1つのテーマについて複数回投稿している場合(ほとんどが該当します)には、1つにまとめて投稿します。タイトルの後の日付は雑誌の発行日で、最後の日付は投稿日を表わしています。
🔴2022.11.26以降、1つのテーマについて複数回に分けて投稿します。
⭐一方、新規で投稿した記事については、異なる壁紙を用意し、本文内に「タイトル」と「雑誌発行年月日」を表示します。
再投稿することにした経緯
再編集して再投稿することにした理由は、次のとおりです。
自分が当時どんな記事に興味があり、どのような考え方をしていたのかを知りたいと思ったからです。
当時の自分を振り返ることで、当時と現在で考え方は変わったか否か、あるいは成長しているかを確認したいと思いました。
記事データは当然古くなっていますが、本質的な部分は必ずあるはずで、しかも普遍性があります。その個所を再度学んでみたかったのです。
さらに言えば、『日経ビジネス』のバックナンバーをご紹介することで、この記事に目を通していただいたあなたに何らかの有益なヒントを提供することができるかもしれない、と考えたからです。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」だからでもあります。
(プロフィールから)
新たに日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。
日経ビジネスの特集記事 Vol.52
昭和な会社が強い スマホ・パソコンを捨てる2014.02.17 Vol.52 2/2 2014-04-28 21:05:50
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
本当に「あの頃」より効率は上がったのか
IT化によって本当に生産性は向上したのかが主要テーマです。
前回、IT化の進んだ企業で、行き過ぎたIT依存を見直し、社員間のコミュニケーション不足解消を図るいろいろな試みを見てきました。
また、顧客とフェイス・ツー・フェイスで関わる重要性を再確認するため、原点回帰を急ぐ企業の姿も見ました。
営業はそれが、BtoB(企業対企業の取引)でも、BtoC(企業対消費者の取引)でも、人間を相手にする仕事ですから、顔を合わせて行うことです。これが原点です。
営業力は、営業社員だけが必要なのではなく、事務社員でも必要な能力です。どんな場面でも人と人との交渉が発生し、営業力の有無で優劣が決まるからです。
さて、昭和と平成で、労働生産性(従業員1人当り付加価値額)を比較すると、ほとんど変わっていない、というのが日経ビジネスが調査した結果です。
数字で比較してみましょう(p.037)。
1988(昭和63)年 638万円
2012(平成24)年 666万円
24年間で28万円、つまり1年間に約1万円しか上昇していないことになります。
PART2 社長だけが知らない 平成流 最新経営の罠
日本企業が業務効率と社員の意欲向上のために推進してきた中身を5つに分類しています。
①IT化(パソコン、メールの導入)
②ネットワーク化(携帯端末の活用、在宅勤務制度)
③欧米流労務管理(成果主義、フレックスタイム制)
④組織のフラット化(階層簡素化、中間管理職排除)
⑤科学的経営(ドブ板営業の否定、勘と経験の排除)
順に見ていくことにしましょう。
① IT化
意欲の低い社員にはなくてはならない仕組み
パソコンに向かっていると、仕事をしているかのようなふりをすることができる―――現実。
キャノン電子の酒巻社長がIT化の弊害に悩む経営者から相談を受け、中堅商社の実態を見てみたところ驚くべき事実に気づいたそうです。
「友人とのメール交換やネットサーフィンなどで会社に来てわずか3分しか働いていない女性がいた」(p.029)そうです。
具体的な弊害とは――
「情報漏洩や誤発注などのリスク」
「メールチェックやシステム更新の手間」
「重要情報のシステム内埋没」
などを問題とする人が多かったそうです(p.037)。
② ネットワーク化
「24時間仕事」と言いつつ「24時間自由」の社員も
米国企業といえば、在宅勤務が普及していると報道されることがあります。出勤時間が不要になり、勤務する場所を選ばず、成果さえ出せば、何時から仕事を始めようが、何時で終わらせようが、誰からも束縛されることはありません。
ところが、米ヤフーで大きな変化が起きました。
どこに問題があったのでしょうか?
こんな意見もありました。
あなたの会社ではどうですか?
③ 欧米流労務管理
立身出世諦めればむしろ居心地よし
成果主義やフレックスタイム制を導入している企業は、欧米流労務管理を行おうとしているわけです。
果たして、実際の効果はどれだけあるのか、疑問です。
回答者が具体的な問題として指摘したことをご紹介しましょう。
*ロア・ユナイテッド法律事務所(労働問題に強い法律事務所です。私も個人的にお世話になったことがあります。 藤巻隆)
④ 組織のフラット化
先輩も後輩も皆友達 育てる苦労もなし
「ピラミッド型組織と徒弟制度は、年功序列と並ぶ昭和の象徴」
(P.040)
このシステムが、平成になるとフラット化され、中間層が極端に
減りました。この変更による弊害がいたるところで出てきています。
具体的には、次のようなことです。
「中堅社員にしても責任を負わずに楽」という実態が、明るみに出ました。
⑤ 科学的経営
時代遅れの掛け声でないがしろになる商売の基本
昭和の時代には、自分の足を使って顧客訪問する「ドブ板営業」が代表的でした。「勘・経験・根性」の3Kが昭和の象徴とも言えます。
現在では、ダイレクトメールや、雑誌広告あるいはネット広告が主流になっています。顧客と直接顔を合わせることが少なくなってきています。
こうした営業に危機感を覚えた経営者は一部にはいますが、なかなか思い切った手を打てずにいます。
弊害を生んでいると考えられる例をご紹介しましょう。
PART3 大企業でも実践可能
昭和回帰で活力回復
オフィス用品を企業向けに販売する大塚商会のケースが、取り上げられています。
社内システム化を推進してきた同社ですが、2008年以降、異変が起きたということです。
5年連続の増収増益にストップがかかり、一転して、減収減益になってしまったそうです。
その原因について、2代目の大塚裕司社長は、次のように語っています。
そこで、大塚社長が決断したことは、昭和の営業スタイルと平成の科学的営業のバランスのよい融合でした。
具体的に次のようなことです。参考になる事例だと思います。
着実に成果は出てきているそうです。
フレックスタイム制の弊害は、たとえコアタイム(必ず出勤しなければならない時間帯)を設けても、全員が揃うことが少なくなることです。
欧米流労務管理を盲信し、日本企業が形だけ取り入れても、馴染まないということです。
効率を求めながら、逆に効率が低下するという事態を招きました。システムやツールはあくまで手段であって、使い方を誤れば弊害を生むという事実を突きつけられました。
手段を目的化しないという鉄則を忘れてはいけない、と思います。
すべてが解決する、夢のようなシステムやツールは存在しないのです。
使い方次第なのです。
今回の特集は、いかがでしたでしょうか?
あなたの会社ではうまく機能していますか?
🔷編集後記
この特集記事(元記事)が公開されたのは、9年前のことで、アメブロでも9年前(2014-04-28 21:05:50)のものです。加筆修正してあります。
昭和という時代は本当に強かったのか、昭和な会社は今振り返ってみても強かったのか、と考えてみると何とも言えないというのが実感です。
私も昭和生まれ(30年、1955年)なので、昭和時代が懐かしく感じられることがたまにはあります。
しかし、昭和・平成・令和と3時代を生きてきて、良い思い出よりも悪い思い出のほうが多くあります。
「古き良き時代」という言葉に郷愁は感じません。
悲観的とかネガティブとかそういった類いの話ではありません。
それぞれの時代に社会制度や社風、社会の大変化(変革)があり、人々の考え方も大きく変わり、画期的(桁外れ)な商品(人物)の出現によって既存の商品(一般人)が駆逐されるという現実を目の当たりにしました。
多くの失敗をしました。四面楚歌になり、孤立無援で誰も支援する人がいなかったこともありました。
その時に、自分の生き方が悪かったと反省するのが良いのか、それとも「長い物には巻かれろ」で権力者側になびいた人たちに対して、「裏切り者!」と罵声を浴びせるのか良かったのでしょうか。
今更何の解決にもなりませんが。
上司は手柄を独り占めし、問題が発生したら部下に責任転嫁しました。
今なら「内部告発」に該当することをしたら、上司を含む関係者から逆襲され、左遷という憂き目に遭ったこともあります。
蒸し返してもどうにもなりませんが。