【『日経ビジネス』の特集記事 】 No.37
✅はじめに
⭐『日経ビジネス』の特集記事から、私が特に関心を持った個所や重要と考えた個所を抜粋しました。
⭐ Ameba(アメブロ)に投稿していた記事は再編集し、加筆修正し、新たな情報を加味し、再投稿した記事は他の「バックナンバー」というマガジンにまとめています。
⭐原則として特集記事を3回に分けて投稿します。
「私にとって、noteは大切なアーカイブ(記録保管場所)です。人生の一部と言い換えても良いもの」です。
(プロフィールから)
日経ビジネス電子版セット(雑誌+電子版)を「らくらく購読コース」で、2022年9月12日号から定期購読を開始しました。
日経ビジネスの特集記事 37
だだ漏れニッポン 技術、情報狙う「盗み」の手口 2022.12.05 1/3
<このページでは、『日経ビジネス』の特集記事の概要紹介と、管理人のコメントを掲載しています>
数十年前を振り返ってみますと、当時、産業スパイという言葉が新聞紙面を賑わしていたという印象があります。紙の新聞はもう何年も読んでいないので確かなことは言えませんが、ネットニュースにも「産業スパイ事件」が滅多に取り上げられることはなかったように思います。
ただし、産業スパイや産業スパイ事件が減少したのではなく、手口がますます巧妙になり、摘発し難くなってきているかもしれません。
産業スパイとは
2種類の産業スパイ
1 転職者スパイによる諜報活動
2 退職者スパイによる諜報活動
⭐出所: 産業スパイとは?その手口と法的な調査方法を解説 デジタルデータフォレンジック 2021年10月1日 / 2022年3月18日
本題に入る前に、産業スパイについて書いた理由は、最近、機密情報の漏洩や特許侵害の疑いのある事案が出てきたので先に取り上げました。
最近頻出している専門用語に知的財産(知財、IP=Intellectual property)ないしは知的財産権(Intellectual property right)があります。
PART 1 「ジャパンクオリティー」根こそぎ 製鉄技術から果実まで 模倣では年3兆円損失
とても看過できない実態が記されています。
以前から中国企業による模倣品について問題視されてきました。
例えば商標権について言えば、日本国内で商標登録されている商品が中国国内で全く同名の商品を商標登録し、日本製品の販売を排除するということが頻発しています。社名にしても同様です。
✅商標権とは
✅日本製鉄のケース
元技術者4人のうちの1人が詳細に語っています。概略だけを取り上げます。
その後、韓国のポスコから誘いがあり、韓国に渡ったそうです。その男性は
「男性は中国鉄鋼大手の宝山鋼鉄にも自らの技術を売り込んだ」(p.012)そうです。
ところが、思いがけないことが起こります。
✅日鉄は宝山鋼鉄とトヨタ自動車を提訴
日鉄はこの事態を看過できず提訴に踏み切ります。
✅危機感の表れ
次の図表をご覧ください。今までメディアはこうした事案をほとんど取り上げてきていませんでした。商標権侵害事件も営業秘密侵害事件も減ってはいません。営業秘密侵害事件は年々増加しています。
中国企業にはこうした行為に対する「恥ずかしさ」というものがないのでしょうか? 「手段が目的化」しているのでしょう。目的のためならどんな手段を講じてでもモノにするという心構えなのです。
✅現地従業員を信じすぎた
東レのケース
東レといえば、ユニクロのヒートテックやエアリズムに使われている機能性繊維のメーカーとして知られていますが、航空機のボディに使われる炭素繊維でも有名ですね。
その炭素繊維に関連した技術が流出したことがありました。
もう少し、経緯を読んでみましょう。
中小企業の経営者は自社技術を過小評価していることがあります。
✅品質登録しなかった代償
ぶどう「ルビーロマン」
他国に盗まれているのは工業製品だけではなく、農産物や化粧品、ロゴなどがあります。
実態を見てみましょう。
ルビーロマンの基準
どこか他でルビーロマンだったか、韓国で売られていたものと日本のものとは同じ種苗であってもまったく違うものだったという記事を読んだことがあります。
種苗が同じでも、環境や育成の仕方でまったく違うものになるということです。韓国で販売されていたルビーロマンは、グジュグジュしていて美味しくなかったという報告がされていました。
問題はどのような経緯で流出を防げなかったかです。
次の画像をご覧ください。こんなにも違うのかと愕然としました。
別の品種かと思いました。
高級ブドウ「シャインマスカット」の場合、「損失は年間約100億円を下らない」(p.015)そうです。
以前から問題視されていたのは、日本のロゴや社名を真似て中国国内で登録し使用していることです。パクリと言う言葉で表現するだけでは物足りません。
どうして自分たちでデザインしないのかと思いますね。
もっとも、戦後、日本も「猿真似」と長い間揶揄されたことがありました。
イエローモンキーという侮蔑的な言葉を吐かれた経験のある人たちがいました。
次回は
PART 2 企業活動も最高学府も隙だらけ ここが危ない 浮かぶ3大流出リスク
をお伝えします。
🔷 編集後記
中国や韓国にいいようにやられている現状は看過できません。
日本政府は抗議するだけでなく、法的措置を取るということはできないのでしょうか?
企業だけでは限界があります。特に中小企業は泣き寝入りするしかないのでしょうか?
さらに、国内の法整備が不十分であることも問題です。
法の網をくぐるという言葉がありますが、これだけやられまくっていることに憤りを感じます。
IP(知的財産)の保護と同時に損害賠償請求をもっと積極的に行なうことが求められます。国際問題になると厄介だとして国や政府は尻込みしがちですが、これではこれからもやられ続けることになります。
日経ビジネスはビジネス週刊誌です。日経ビジネスを発行しているのは日経BP社です。日本経済新聞社の子会社です。
日経ビジネスは、日経BP社の記者が独自の取材を敢行し、記事にしています。親会社の日本経済新聞ではしがらみがあり、そこまで書けない事実でも取り上げることがしばしばいあります。
私論ですが、日経ビジネスは日本経済新聞をライバル視しているのではないかとさえ思っています。
もちろん、雑誌と新聞とでは、同一のテーマでも取り扱い方が異なるという点はあるかもしれません。
新聞と比べ、雑誌では一つのテーマを深掘りし、ページを割くことが出来るという点で優位性があると考えています。
⭐ 回想録
⭐ マガジン (2023.02.14現在)