見出し画像

【読書感想】西條奈加『まるまるの毬』

2017.08.24 読了。
西條奈加『まるまるの毬』

江戸で小さな菓子屋を営む治兵衛。

作中にたくさん菓子が出てくる。
その菓子をスマホで調べながら読んだ。現代でも銘菓として残っているものばかりだった。

武蔵熊谷の五嘉棒。
伊予松山の桜羊羹。
平戸のカスドース。
美濃の茗荷餅。
出羽ののし梅。
京都の錦玉羹。
出羽の鯨餅。
肥前唐津の若みどり。
いが餅(毬餅)。
梅ケ枝餅。
雲州の生姜糖。
山椒餅。
松風。

まるまるの毬に出てきた菓子たちに興味が湧いて仕方ない。私は甘い物が苦手なので、土地土地の銘菓に全く興味がなかったけれど、これから旅先で見かけたら絶対に買う。旅に出る楽しみが増えた。

まるまるの毬は、ほんの少しの秘密はあるものの、伏線が張り巡らされたり、奇をてらった小説ではない。
掌握する全てを持っているようで何も持っていない人として人生をスタートした治兵衛だが、そこに悲しさはない。治兵衛に寄り添う弟と、菓子屋を活き活きと営む娘と孫。家族の優しさに包まれた小説でした。

#西條奈加  #まるまるの毬 #吉川英治文学新人賞
#講談社文庫  #講談社時代小説文庫 #小説
#読書  #文庫本 #読了 #読書記録 #読書感想文
#竹竿の本棚

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?