第1回最恐小説大賞【短編連作】受賞作――沖光峰津『怪奇現象という名の病気』が8/28に発売!
最恐小説大賞とは?
小説投稿サイト〈エブリスタ〉と竹書房がノールール、ノータブーで募る新たなホラー小説賞、最恐小説大賞。心霊、サイコ、サスペンスなどジャンルは不問、とにかくいちばん恐い話を決めようという目的のもと生まれた、バーリトゥードなコンテストです。
その記念すべき第1回の受賞に輝いた短編連作ホラーがこちら、
『怪奇現象という名の病気』(沖光峰津)
長編の『ヴンダーカンマー』(星月渉)とW受賞となった注目の話題作です。
内容・あらすじ
主人公は精神病院で常駐警備員のアルバイトをする青年。中田哲也、二十歳。
彼は入院患者と気まぐれに交流し、語らううちに奇妙な違和感を抱き始める。
患者らの語ることの大半は幻覚や妄想で間違いないのだが、まれに何度聞いても一貫して話の辻褄が合い、あたかも事実であるかのように突拍子もない話を語る人たちがいることに気がついたのだ。
彼らは本当に心の病気なのだろうか。
彼らの見たものが幻覚ではなく、怪奇現象――幽霊や妖怪の類だったとしたら?
哲也は患者たちに聞き込みをはじめ、やがて自身も恐ろしい怪異に巻き込まれていく……。
民話的風景に底知れぬ不気味さが漂う患者たちの10の追憶。
最後に待つ意外な結末と真実も見逃せない、ノスタルジックな短編連作ホラーです。
目次・収録話紹介
●プロローグ
●第1話 安心毛布
幻覚症状を持つ吉田さんはいつもお守り代わりにボロボロの毛布を持っている。霊感の強い吉田さんのために祖母が縫ってくれたものだと言うが…
●第2話 子供
自分を噛む自傷癖があり、体のあちこちに歯形のある久保田さん。だが、噛んでいるのは自分ではなく、山で自分にとり憑いた餓鬼だという…
●第3話 袋
統合失調症を患う若い女性、前田さん。袋を見るとパニックなってしまう彼女は堕胎経験があり、袋の中から胎児のおばけが出てくると言うのだが…
●第4話 岩田さん
病院に出ると噂の幽霊・岩田さん。岩田さんが入って病室からは退院患者が出るというジンクスがあるが、姿を見てしまうと少し不幸になると…
●第5話 河童
精神遅滞で入院してきた内牧は、河童の腕のミイラを箱に入れて後生大事に持っている。中身はどう見ても猫の手なのだが、その由来を聞くと…
●第6話 夢
哲也は見知らぬ男が女をめった刺しにする悪夢を繰り返し見る。そんなある日、強迫性障害で入院してきた女性が夢の中の女性にそっくりで…
●第7話 狸
鬱で入院中の山下さん。実は自分の正体は狸で、人間に化けている時に事故に遭い、戻り方が分からなくなってしまったのだと言うのだが…
●第8話 ドッペルゲンガー
多重人格で入院してきた甲斐真由美。彼女の中には真奈美という攻撃的なもう一人の人格が存在する。哲也は何も知らず真奈美と仲良くなり…
●第9話 隙間
隙間恐怖症の寺坂は、住んでいたボロアパートの窓の隙間から聞こえてくる声に誘われ外を覗く。そこには意外な光景が広がっており寺坂を誘う…
●第10話 警備員
…先輩警備員の園田さんに、女の幽霊が出るから見回りの担当箇所を変わってほしいと頼まれた哲也。果たして哲也も巡回中その姿に出くわし…
著者紹介
沖光峰津 Minetsu Okimitsu
大阪府堺市出身。堺市在住。小説投稿サイト「小説家になろう」と「エブリスタ」で小説を書く。
本作『怪奇現象という名の病気』でエブリスタ×竹書房「第1回最恐小説大賞」を受賞し、デビュー。
パソコンや電気製品を弄るのが好きで、必要もないのにパソコンが増えていく。下手くそなのにゲームも好き。ネットゲームでは仲間に迷惑ばかりかけている。