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オカルト女子厳選!激こわ心スポ集「おかるとらべる 365日ホラー旅」(Coco/著)著者コメント+収録スポット「滝不動」の怪異譚を試し読み

オカルト女子がアガるスポットに行ってみた!

#心霊スポットで踊ってみた」でSNSを沸かせた
ホラーインフルエンサーCocoが厳選する日本全国の怖い場所

全国心スポ500箇所制覇
ホラープランナーCocoが激ヤバスポットを厳選!
戦慄の伝承や体験談を披露

青木ヶ原樹海に佇む女幽霊の姿(山梨)
永楽ダムの闇から聞こえる金属音(大阪)
相坂トンネルの壁から顔が浮き出る(兵庫)
田原坂公園での生配信中に霊が…(熊本)
蘇我入鹿の霊が出る!?旧鹿路トンネル(奈良)
死者が谷底へ引きずり込む八木山橋(宮城)
夜中の小笠山で謎の老婆と遭遇(静岡)
サラという謎の外国人が憑依する廃墟(島根) ――ほか。

著者コメント

友人と初めて訪れた心霊スポットでの恐怖と高揚感を今でも鮮明に覚えています。
心霊の不思議な魅力に惹かれてしまった私は、この日を境に取り憑かれたようにいわくつきの場所を巡ってきました。
今までで取材調査した心霊スポットは日本全国500ヶ所を超え、もう少しで600ヶ所にも達しようとしています。
本書は、その数多のスポットの中から、ここはヤバすぎる…と感じた場所や、深く印象に残った場所を厳選して紹介しています。
実際に現地へ行って感じたこと、地元民への聞き込みや文献から得た情報、現地を訪れた人の恐怖体験談も書き綴っています。
まさに私の今までのホラー旅の集大成となる一冊です。
私と一緒に心霊スポットを巡っているような、わくわくドキドキした気分を本書から味わっていただけたら何より嬉しく思います。
あ、でも、くれぐれも現地には行かないでくださいね。みなさんの身に〝なにか〟が起こってからでは遅いですから。

Coco

試し読み

滝不動 (山形県)

 山形県の南東に位置する上山かみのやま市、古くは羽州街道の宿場町として栄え、560年以上もの歴史を持つ、かみのやま温泉群を擁している。
 毎年2月11日には、藁蓑をまとった「加勢鳥」という妖怪に扮した人々が町中を踊り歩きながら、住民から冷水を浴びせられるという、江戸時代から伝わる奇習が有名である。

 そんな地に、山形県内最恐とも称される心霊スポットがある。
 その場所を知る人々が「あそこだけは本当にヤバい」そう口を揃える心霊スポット。
 それが「滝不動」である。
 正式名称は「滝不動明王」といい、大平山と経塚山の麓を流れる最上川水系荒町川の上流に位置する末広滝と、その周囲のお堂をまとめて滝不動明王と呼んでいる。
 不動や末広の名前の通り、末広がりの分岐瀑に不動明王の像が安置されており、れっきとした信仰の場なのだが……。
 付近には山元隧道という、こちらもまた有名な心霊スポットと、上山市経塚斎場(火葬場)があり、心霊的なロケーションとしては最高である。
 さらにこの場所は、元々処刑場の跡地だったと噂されている。罪人の首を切り落とし、傍の滝壺で刀の血を洗い流していたという話だ。そのため、この場所には首に纏まつわる怪異が多く聞かれるのだという。
 具体的にどのような噂が、この地に囁かれているのかというと……。

・滝壺に供えられている刀剣に、触れたり持って帰ったりすると死ぬ。
・地蔵堂に首から上のない母子の霊が出没する。赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。
・白い車で訪れると車にびっしりと小さな手形がつく。
・老婆の霊が出没するとされ、老婆の忠告に従わないと事故に遭う。
・霊感が強い人は近くを通るだけでも悪寒を訴え、体調不良を起こす。
・首吊り自殺や様々な事件事故が多発しており、それを防ぐために不動明王が安置された。
・戦国時代に合戦場となり、多くの血が流れた。

 ――と、噂は多岐にわたって囁かれている。
 滝壺の刀剣は、処刑された人々を供養するための刀とも、不動明王の刀とも言われており、この心霊スポットを一番特徴付けるものである。この刀剣に纏わる話は様々なバリエーションを持って語られている。
 例えば、こんな話がある。この場所に肝試しを目的として遊びにきた若者がいた。若者はつい調子に乗ってしまい、滝壺に置かれた刀剣を持って帰ってしまったという。その帰り道、バイク事故を起こしてしまう。若者の首は無残にも折れ曲がり即死状態だった。そして、持っていたはずの刀剣は、事故現場のどこを探しても見つからなかったという。
 こんな話も伝わっている。
 時代はいつか分からないが、小さな子どもふたりが滝不動の刀剣を使い遊んでいたのだという。しかし、日が暮れて暗くなってきても子どもたちが帰ってくる気配がない。心配した村人たちが周囲を捜索したところ、滝壺の近くに倒れているふたりを見つけた。辺りは真っ赤な血に染まっており、その身体には首から上がなかったという。
 筆者が山形県内の別スポットを調査していたときに、肝試しに来ていた地元民の高倉さんから、滝不動の刀剣に纏わる話をいくつも聞かせていただいたので紹介しよう。

 高倉さんの友人の母親が体験したという話。
 今からおよそ30年前、当時付き合っていた彼氏と友人たちの複数人で滝不動へ肝試しに行った。怖いもの知らずの彼氏は滝壺に刺さっていた刀剣を抜き、振り回していたという。周りの友人たちも、ふざけ半分で「呪われるぞー(笑)」なんて茶化していたのだが……。
 その日以降、彼氏が徐々におかしくなっていったという。常になにかに怯えていて、引きこもりがちになった。会おうとしてもなかなか会ってくれず、無理やり会いに行ってみると、「落ち武者が見える」そんなことを言い出す始末。
 そして、まもなくして自室で首を吊った状態で発見されたという。
 高倉さんはこんな話もしてくれた。
 これは知人から聞いたそうなのだが、その知人の友達が滝不動へ行き、遊び半分で滝壺の刀剣を持ち上げていたという。その時はなにごともなかったのだが……。
 次の日、外仕事で足場を組んでいると、鉄骨が落下してきて友達は下敷きになり圧し潰されてしまった。幸い命には別状はなかったのだが、現在も植物状態で入院しているということである。

――続きは書籍にて

著者紹介

Coco (ここ)

京都府出身。怪談師兼ホラープランナー。
「京都怨霊館」「大阪都市伝説 赤い女」などお化け屋敷をプロデュース。
TikTokのフォロワー数は30万人を超える。怪談最恐戦2019大阪予選に出場。
著書に『怪談怨霊館』、共著に『投稿 瞬殺怪談 怨速』など。

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