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▶無『意』味・感想〔158〕◀(2024年4月20日)

ビエンチャンの中心部には、ラオスの人々を守ってくれると信じられているナーガが眠る場所があります。「タートダム」と呼ばれる塔です。ラオ語で「タート」が塔、「ダム」が黒という意味を持っています。

このような言い伝えがある場所だと、個人的な感覚では「崇拝」とか「畏敬」という関わり方になるのではないかと思います。しかしタートダムを訪れてみると、それとは真逆とも思える光景が広がっているのです。

なんとタートダムの敷地の周りにはたくさんの車が停まっているのです。「車が停まっている」というだけならば、ここを訪れる人が多くて、駐車をしているのだから仕方がないではないかと思う人もいるかもしれません。ただ、駐車の目的はタートダムの見学ではありません。単なる路上駐車です。

特にお昼時になると、タートダムの周囲のスペースに駐車をして、どこかのお店に食事をしに行っているのです。その証拠に、たくさんの車があるにもかかわらず、タートダムは無人なのです。

何かに敬意を払う際に用いられる「リスペクト」という言葉があります。この言葉はさきほど言ったような「崇拝」「畏敬」と繋がるものとして使われることが多いと思います。

しかし「リスペクト」はもっと幅広いものだと思います。ラオスの人たちはタートダムの周りに車を停めていますが、それはタートダムを軽んじているわけでは決してなく、この場所と「親しみ」という感覚で繋がっていると見ることもできます。そう考えると、これも「リスペクト」の一つの形で、のんびりゆったりしたラオスらしさに溢れています。

「信仰心・宗教心の多様性」などと表現すると大げさに聞こえますが、そんなことを感じました。

【連続投稿:944日目】

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