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▶無『意』味・感想〔103〕◀(2024年2月18日)

(気楽で無責任なシリーズ。純粋に何となく綴った短文の塊。ほとんど意味はない感想。)

ビエンチャンセンターやCBS(Central Bus Station)の裏手には、「タラートクアディン(Khuadin Market)」という市場があります。雑貨、衣類、野菜、生鮮食品などあらゆるものが売られています。

CBS(Central Bus Station)の近くにあるので、この周辺で生活している人たちだけでなく、長距離バスに乗る前にこの市場でたくさんの商品を買い入れる人たちもいて、とても活気があります。

また市場は古き良きラオスの雰囲気が残っているようで、すぐ近くにある現代的でお洒落なビエンチャンセンターやNAGAパクソンととても対照的です。後者はきれいなのでそれはそれで魅力的ですが、こちらの市場の決してきれいとはいえない様子の趣は、異なる次元の魅力に満ちています。

しかしこの辺りは工事が進んでいます。看板を見ると、市場はリニューアルされるようです。「2024年」という文字があるので、リニューアルは2024年のうちに実現するのだと思います。

2024年はラオスがASEANの議長国であることは以前の記事でも紹介していますし、既に様々な会議がスタートしています。これからも主要な会議がいくつも開催される予定なので、それに呼応するように観光客の増加が見込まれると思います。そのため、観光で訪れた人々へのイメージアップということで、色々な場所が整備されてきれいになっています。パトゥーサイ周辺はその典型例です。

そして市場のリニューアルもその一環なのではないでしょうか。しかし政府がアピールしたいラオスのイメージと、観光客が求めているラオスのイメージは必ずしも一致していないような気がします。観光客の多くは、ラオスに例えばシンガポールのような整然とした現代的で機能的な街の雰囲気を求めてはいないと思います。むしろ、東南アジア最後の秘境などいわれるような雰囲気を求めているのではないでしょうか。そうするとシンガポールなどとは真逆の雑然とした素朴で不便な雰囲気を期待してやってくるので、きれいに整備されればされるほど、興ざめ・期待外れだと思われてしまうかもしれません。

日本各地では近年オーバーツーリズムが話題に上がりますが、観光客が多く押し寄せることによって、その地域の雰囲気が削り取られていってしまうのは、「観光がもたらす負の側面」のうちの「外発的」なものだと思います。一方で、観光地の方が観光客のことを意識しすぎてしまって、お土産屋さんを増やしたり、急ごしらえの観光スポットを設けたりして、自ら雰囲気を変えてしまうこともあると思います。それは「観光がもたらす負の側面」のうちの「内発的」なもので、最近のビエンチャンの整備の動きはこれに該当する気がします。

「発展・成長」と「伝統・継承」というものが、相反する概念と捉えられてしまえばしまうほど、そこにはトレードオフの関係が出来上がってしまいます。すると経済や観光を意識しすぎるがあまり、「発展・成長」が、「伝統・継承」を駆逐してしまう事態になりかねません。

「自然的な地域環境」については、人間による破壊が問題視され、それらの保全や保存の必要性が長らく議論されてきているわけですが、今や「歴史的または文化的な地域環境」についても、外部と内部両方の人間による破壊が顕在化しているわけです。こちらの保全や保存の必要性もしっかりと議論していかねばなりませんね。

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