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★我楽多だらけの製哲書(63)★~捏造された夜空に広がる罪深さとギロビッチ(The sinfulness that spreads in the forged night sky and Girovic)~

月と太陽は、古来より様々な形で対比されてきた。太陽は、日中に現れるため「主役のような存在」として扱われることが多く、またその光の強さや光が及ぼす熱量から、「支配者」「絶対的権力者」の象徴のようにもなってきた。各地の神話でも太陽を司る神は中心的地位を占めている。古代ギリシアの哲学者プラトンも、イデアの中でも最高のものとして「善のイデア」を取り上げているが、その比喩として太陽を用いている。

これに対して月は、夜という限られた時間帯に登場する「主役ではない存在」として扱われることが多い。また、自らが光を発するわけではなかったり、太陽から受け取った光を夜の間に地上へと届けたりする様子から、「穏やかさ」とか「優しさ」といったイメージがある。ここから月を女性名詞とする言語もあるが、ドイツ語では月が男性名詞であるし、日本の神話では天照大神が女性の神・月読命(月夜見尊)が男性の神として解釈されることもあるので、世界共通で月を女性と考えているとはいえないだろう。

この「太陽=力強さ、月=優しさ」というイメージは、単語の音の響きにも繋がっているような気がする。英語では「太陽=the sun(ザ・サン)、月=the moon(ザ・ムーン)」
ドイツ語では「太陽=die Sonne(ディ・ゾンネ)、月=der Mond(デァ・モント)」
イタリア語では「太陽=il sole(イル・ソーレ)、月=la luna (ラ・ルーナ)」
アラビア語では「太陽=アッシャムス(al+シャムス)、月=カマル」
サンスクリット語では「太陽=スーリヤ、月=チャンドラ」
トルコ語では「太陽=ギュネッシ、月=アイ」
マレー語では「太陽=マタハリ、月=ブラン」
タイ語では「太陽=プラ アーティット(พระอาทิตย์)、月=プラ ジャン(พระจันทร์)」

まあそのように言われると、そんな風に思えるくらいの話だが、月に関わる言葉の方が「柔らかい」ような気がする。

そんな月の話でいうと、昨日の夜から今日の朝方にかけて話題になっていたのが「ピンクムーン」である。情けない話、最初にこの言葉を聞いたとき、月が本当にピンク色っぽくなるのではないかと思っていた。由来としては、アメリカの先住民が4月の満月の頃にフロックス(桔梗撫子や芝桜などがこれに属している)というピンクの花が咲くということでそのような名がついたと言われている。

「人は思い込みにより、事実を正確に捉えていないことがある」
これはアメリカで心理学や行動経済学を研究しているトーマス・ギロビッチの言葉である。

私はピンクムーンという言葉を聞いて、月が空の状態から赤っぽくなったり、白っぽくなったりと見え方が変わることがあったという印象から、ピンクになることもあるのだろうと思い込んでいた。しかし、昨日は何度もバルコニーに出て、夜空を観察しても一向に月はピンク色にならないので不思議に思っていた。そこで調べてみて、色がピンクになるわけではないことに気づかされたわけである。

何度もバルコニーに出て、月の様子を見ていただけに、ちょっと悔しかった。そこで、チェックペンの赤シートやピンク色のクリアファイルを使って、「ピンクムーン」を捏造することにした。

情報というものは、限られたものしか受け取ることができない状態であればあるほど、一部の情報が真実であるかのように映ってしまうものである。もし、ピンクムーンの捏造写真だけを見せられたならば、月が本当にピンクになると思う人もいるかもしれない。首都キーウへの再攻撃の報道もあるウクライナ情勢においても、激しい情報戦が展開されている。公平な第三者機関による調査が入っていない段階なので、ウクライナ側の報道もロシア側の報道も、それをそのまま鵜呑みにすることはできない。しかし、ウクライナでの民間施設への攻撃や虐殺などが全くなかったというロシア側の情報は、にわかに信じがたいところである。今後、国連など第三者機関による調査によって、ウクライナ侵攻における悲惨・非人道的な実態が明らかになり、それに対する責任の追及がなされる必要がある。
The more limited information can be received, the more information appears to be true. If you were only shown a forged photo of the Pink Moon, you might think that the moon would really be pink. Even in the situation in Ukraine, where there are reports of a re-attack on the capital Kyiv, a fierce information warfare is underway. Since the investigation by a fair third-party organization has not been entered, neither the Ukrainian side report nor the Russian side report can take it as it is. However, the Russian side's information that there were no attacks or slaughter of private facilities in Ukraine is suddenly unbelievable. In the future, investigations by third-party organizations such as the United Nations will clarify the tragic and inhumane reality of the invasion of Ukraine, and it is necessary to pursue responsibility for it.

(以下で、捏造したいくつかの写真を紹介)
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