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❖ビエンチャンを見てんじゃん(74)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年9月25日)

【記事累積:1742本目、連続投稿:736日目】
<探究対象…ラオス、ビエンチャン、仏教寺院>

♪サバイディー(ສະບາຍດີ、こんにちは)
【第29次 in 寺院】「ວັດທາດຂາວ(ワットタートカオ、Wat That Khao)」

本日紹介するのは、ラオス・ビエンチャンにある「ວັດທາດຂາວ(ワットタートカオ、Wat That Khao)」という仏教寺院です。このお寺はどのような特徴があり、あえて呼び名をつけるならばどんなものになるでしょうか。【課題の設定】

この寺院はメコン川のナイトマーケットがある公園に沿って伸びているQuai Fa Ngumという通り沿いにあります。この通り自体が長いので、実際に寺院があるのはナイトマーケットから空港とは反対側に結構進んだ場所です。目印になるのはドンチャンパレスというホテルで、寺院がある通りから入ることはできませんが、Quai Fa Ngumを空港とは反対に進んでいると右手の遠くに大きなホテルが見えるので、それを過ぎた頃に左手に寺院が見えてくると思います。【情報の収集】

この寺院の特徴は何といっても大きな涅槃仏(ねはんぶつ)です。寺院の入口からは見えませんが、入口からまっすぐ伸びる道を進むと真ん中にお堂があり、その脇を通って回り込んでみると大きな仏像があるのです。この仏像はブッダが横たわった姿勢になっているもので「涅槃仏」と呼ばれます。「涅槃」は「ニルヴァーナ」ともいわれる言葉で、煩悩の炎が消え去った悟りの境地を意味しています。仏教のエピソードによると、ブッダの死期が近づき横になって弟子たちに説法をしている状態で、仏像の目が開いているならばまさに説法をしている最中であり、目が閉じているならばブッダは死を迎えたものとされています。こうしてブッダは身も心も完全な形で涅槃という悟りの境地に達したとされています。【情報の収集】

ラオスやタイは上座部仏教の国で、もともとブッダの像が多いのですが、涅槃仏の多さも上座部仏教の国の特徴の一つです。そのため多くの寺院で涅槃仏を見かけますが、ビエンチャンに住んでいてこれだけ大きなものは珍しく、屋外にある大きな涅槃仏としてはタートルアンに勝るとも劣らないと思います。しかし「ວັດທາດຂາວ(ワットタートカオ、Wat That Khao)」は、そんな素敵な見所を前面に押し出していないのです。涅槃仏を隠しているお堂がなければ、門からこの大きな仏像が見えて、インパクトがありますし、記念撮影でも「映える」ので、もっと観光客が集まるキラーコンテンツになると思います。【整理・分析】

ただ仏教寺院にしても、仏像にしても、篤い信仰心をもった在家信者が落ち着いて訪れたり、拝んだりすることが最も重要なことであって、人が多く集まるかどうかを優先してしまうことは本末転倒といえます。そのためこの寺院は涅槃仏を安易に観光資源にするのではなく、信者のためのものとして大切に扱っていると考えられます。【整理・分析】

これらを踏まえて、本日の「ວັດທາດຂາວ(ワットタートカオ、Wat That Khao)」の呼び名として私が考えたのは「キラーコンテンツをアピールしない奥ゆかしさに満ちた寺院」です。観光客が集まることによって、寄付が増えたり、寺院内や寺院周辺の売店が潤ったりするのは嬉しいことではありますが、それは「物質的で経済的な豊かさ」を重視した姿勢です。しかしブッダの教えで最も重んじられていることは、欲望や執着などのような俗世間の淀みとしての煩悩を消し去り洗い流すことで得られる「精神的な豊かさ」です。だからこの寺院は、出家者に対してはブッダの教えに従い誠実・謙虚に修行ができる空間、在家信者に対しては穏やかな雰囲気の中で仏・法・僧を敬うことができる空間であり続けられることを重んじて、過度な観光的アピールをしていないのだと思います。【まとめ・表現】

ちなみに、「観光(する)」はラオ語で「ທ່ອງທ່ຽວ(トン ティアウ)」といいます。タイ語では「ท่องเที่ยว(トン ティアオ)」となります。

それでは今日はここまで。
♪ポップ・カン・マイ(ພົບກັນໃໜ່、また会いましょう)

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