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❖見タイ!知りタイ!伝えタイ(号外8)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年7月27日)

<探究対象…比較政治、議会、タイ>
♪サワディー(こんにちは)

7月25日頃の報道では、本日予定されていたタイの新たな首相を指名する投票は、延期となったとのことです。下院議長であるワンムハマドノー(Wan Muhamad Noor)氏がタイ議会で記者団に向けて公表しました。ワンムハマドノー(Wan Muhamad Noor)氏はムスリム系が支持基盤となっている地域政党プラチャチャート党の党首でもあります。彼の名前にある「ムハマド」からもムスリムであることが分かりますね。【情報の収集】

5月に下院選挙が終わっているにも関わらず、なぜタイでは新首相が決まらずに政治的空白が続いているのでしょうか。【課題の設定】

5月の下院選挙でプラチャチャート党は9議席を獲得し、ピタ氏率いる前進党を中心とした、親軍派に対抗する8党連合の一角を担っています。8党連合の中では、前進党、タイ貢献党に次ぐ3番目の議席数であり、5月の下院選挙のあとワンムハマドノー氏が下院議長に選出されたのは、8党連合内のパワーバランスを考慮してのことだとも言われていますね。【情報の収集】

確かに、前進党(151議席)とタイ貢献党(141議席)のどちらかから下院議長を選出すると、両党の関係性に影響を与えかねないので、両党に比べ獲得議席はかなり少ないものの、第3党にあたるプラチャチャート党から下院議長を出すことにしたと考えられます。またワンムハマドノー氏は以前にも下院議長を務めたことがある大ベテランで、タクシン政権のときには内相も務めているので、豊富な経験からの人選ということで、異論が出にくいこともあったかもしれません。【整理・分析】

今回の延期は、7月27日に翌日の7月28日がワチラロンコン国王の誕生日で、投票翌日には式典が多く催される予定を考えると、それを理由に議会を欠席する議員も多く出てくるのが理由と報じられていますが、別の報道では、7月19日にタイ議会が決定したピタ氏再立候補禁止が妥当であったのか、タイ憲法裁判所に判断を求める必要から延期したとも報じられています。このままでは2回目の指名投票がいつになるかは分からず、無期限延期ともみられています。【情報の収集】

2014年の軍部によるクーデターのあと、民政移行したことにはなっていますが、以前として親軍派の影響が、議会にしても、憲法裁判所にしても強く残っています。そのため、下院選挙で国民が親軍派に対抗する勢力に期待して投票し、それらの政党が議席を大きく伸ばしたわけですが、現状維持寄りか、変革寄りかの綱引きが続いているということだと思います。タイの政治の混迷は続きます。【まとめ・表現】

ちなみに、「誕生日」はタイ語で「วันเกิด(ワングート)」といいます。ラオ語では「ວັນເກີດ(ワンクート)」といいます。

それでは本日はここまで。
♪ジューガンマイ(また会いましょう)

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