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❖見タイ!知りタイ!伝えタイ(号外18)❖ まいに知・あらび基・おもいつ記(2023年11月11日)

【記事累積:1836本目、連続投稿:783日目】
<探究対象…タイ、比較政治、デジタル通貨、経済政策>

♪サワディー(こんにちは)
先月の中旬に数日間タイを訪れていたので、タイの様子について何本か記事を書きました。それはタイの街での様子についての記事で、号外として書いていた政治的な話とは性質の異なるものでした。タイの政治は2023年5月の下院選挙のあと、3カ月以上も新しい首相が決まらないという混迷の状態でしたが、8月終わりにようやく延期されていた2回目の首相指名投票が行われ、そこでタイ貢献党に所属するセター・タビシン氏が過半数の票を得たのでした。そのあと9月初めに組閣が国王の承認を受けて、新内閣がスタートしてから、2カ月ほどが経ちました。【情報の収集】

タイ貢献党およびセター氏は選挙前から、国民への給付のアイデアとしてデジタル通貨を提案していました。首相就任後もそのアイデアを示してはいたものの、当初2024年2月頃に給付できるとされていたスケジュールは、昨日の報道では後ろ倒しで2024年5月になる見通しのようです。【情報の収集】

この政策はタイ貢献党およびセター氏が公約として掲げていたものの一つなので、このままいけば公約がしっかりと実現されることになりそうです。しかし2023年4月頃から現在まで、このデジタル通貨の給付に関する報道の内容を見比べてみると、全く同じではないことに気づかされます。さてそれはどのような点で同じではないと言えるのでしょうか。【課題の設定】

まず2023年4月頃の選挙前、タイ貢献党が掲げていた選挙公約を見てみると、次のようなフレーズになっていました。「10,000 baht in digital currency to everyone 16 years of age and over」。これを翻訳サイトで和訳してみると、「16歳以上の全員に10,000バーツのデジタル通貨(を提供)」となります。【情報の収集】

また昨日の時事通信の記事の見出しを見てみると次のようになっていたのです。「タイ、一部国民に4万円給付 経済対策、日本を例示」。見出しだけをみると現金給付になったような印象を受けますが、記事を見てみると現金給付ではなくデジタル通貨で1万バーツの給付と書かれていました。【情報の収集】

ここから「1万バーツをデジタル通貨で給付」という点は、4月頃も現在も違いはないようです。私が2つの時期で異なっている点として気になったのは、給付の対象です。4月は「16歳以上の全国民」となっていたものが、昨日の記事では「16歳以上の一部国民」に変わっていたのです。この一部国民というのは、16歳以上で「月収が7万バーツ未満」かつ「銀行預金が50万バーツ未満」が対象としているようです。つまり給付対象は当初よりも狭まっていることになります。【整理・分析】

現政権は、5月の下院選挙で第一党となった前進党を外し、その一方で国民から支持が得られていたとはいえない親軍派の2政党を迎え入れて作られた連立政権です。そのため発足当初から国民の反発が高まっていたわけですが、選挙公約の給付対象を狭めたことはさらに大きな反発を生み出してしまうのではないでしょうか。昨日のセター首相の発表では、日本の政策との類似性についても触れられていたようですが、現在岸田内閣が進めようとしている政策が国内でどのように受け止められているかまでは、タイ政府はリサーチしていないのかもしれませんね。タイ政府も日本政府も今後の政策について、国民の支持がどのように変化していくのかも気になるところなので、引き続きリサーチしていこうと思います。【まとめ・表現】【今後の課題の設定】

ちなみに、「通貨」はタイ語で「สกุลเงิน(サグン グン)」といいます。ラオ語では「ສະກຸນເງິນ(サクングン)」または「ເງິນຕາ(グンター)、お金一般なら単にເງິນ(グン)」になります。

それでは本日はここまで。
♪ジューガンマイ(また会いましょう)

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