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▶無『意』味・感想〔213〕◀(2024年6月15日)

ビエンチャンセンターの裏手には大きな池があります。
天気が良い日は、その水面が丁寧に磨かれた1枚の鏡のようになって、空や雲の形や色を本物そっくりに写し取ってくれます。

撮影の角度によっては、本物の空の方が白くぼやけてしまっているのに、池に広がる鏡の方には空の青色や雲の質感が本物以上にくっきりと映っていることもあります。

去年の7月初めに撮影した写真はまさにそのような状態でした。
本物なのにはっきり見えない上空の様子と、本物じゃないのにはっきり見える足元の様子。

それはまるで「青は藍より出でて藍よりも青し」を体現しているようでした。
足元の空の色は、本物の空の色によって成り立っているはずなのに、本物の空の色以上に見事な色合いになっているのです。

そうはいっても鏡に映るのは所詮、虚像です。角度を変えて撮影してみると、今度は上空の方がくっきりしていて、足下の方はゆらぎが感じられました。

やはり虚像はあくまでも様々な条件に左右される相対的な存在ということですね。
プラトンの言葉を借りるならば、足下に広がるのは「現象界」におけるイデアの似姿であり、上空にそびえるものこそ「イデア界」における永遠の実在ということになると思います。

【連続投稿:1000日目】

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