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【小説】 まぼろしの砂糖 【マガジン限定】

 展覧会を開くというのは実に大変だ。主軸である清世さんがもしも一人で全てやろうとしていたら、コピーロボットが三十台ほど必要になったかもしれない。
 清世さんは絵画、僕は絵本、そしてnolyさんは会場で来場者に振舞われる焼菓子を担当している。
 二回目の内覧で打合わせをしていると、焼菓子を置く予定だったテーブルを眺めながらnolyさんが神妙な顔つきなった。そして、こんな質問をしたのだ。

「焼菓子はおもてなしって意味もありますよね?」
「そうです。みんなに「よく来てくれたね」って意味でも、大切なおもてなしなんです」

 清世さんがそう答えると、nolyさんはふんふん、と何かに納得した様子で頷き、こんな事を言った。

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日本画制作・絵本発注・展覧会開催の裏側をはじめ、清世組それぞれの個性と得意を持ち寄った記事がいっぱいです。ものをつくる面白さと勇気をおすそ分けしています。1記事あたり100円を切りました。うまい棒に匹敵するお買い得マガジンです。

2022.1.29-30 各12:00-20:00 JOINT HARAJUKU 2F(東京)にて開催いたしました清世の展覧会ログです。マ…

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