【掌編小説】 みんないいこ 【瞬間読書】
ただでさえディスカウントで有名な駅前のスーパーだったが、夕方のタイムセール時に店に入ると店内は鬼の形相を浮かべる客達でごった返していた。
しまった。入る時間を間違えた。そう後悔しながら、多くはない買い物を済ませる為にカゴを手に取った。
精肉コーナーの前ではケースを覗き込む頭が交互に入れ替わり立ち替わり、その中に入り込むのは至難の技のようにも思え、敢えて他のコーナーから回ることにした。
結局、酒とほうれん草、鶏肉とレトルトカレーをカゴに入れただけなのに十分近くも掛か