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サザンロック/スワンプ系のアルバム紹介

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オールマン・ブラザーズ・バンド、レーナード・スキナードの定番から、マーシャル・タッカー・バンド、ウェット・ウィリーなどのベテラン勢、スティルウォーター、ウィンター・ブラザーズ・バ…
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#サザンロック

野生の牙/ブラックフット (‘80)

野生の牙/ブラックフット (‘80)

Tomcattin’ / Blackfoot (‘80)
国内アーティストの紹介が続いたので、この辺りでサザンロックのアルバムを紹介させていただこう。本作はフロリダ州ジャクソンヴィル出身のサザンロックバンド、ブラックフットの通算4作目のアルバムで、’80年アトコからリリースされた。前作「真紅の砦〜Strikes」同様、ハードなサザンブギーが今回も満載である。しかしながら、よく聴いてみると、ハードロ

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ライド・アゲイン/ドック・ホリデイ (‘82)

ライド・アゲイン/ドック・ホリデイ (‘82)

Ride Again / Doc Holliday (‘82)
ジョージア州ワーナー・ロビンス出身のバンド、ドック・ホリデイの通算2作目のアルバムを紹介させていただこう。国内では本作がデビューアルバムとなるが、本国では’81年にセルフタイトルのファーストアルバムがリリースされている。

メンバーは5人で、ギターが2人、ベース、ドラム、キーボードといったラインナップで、ギター以外にも、マンドリン、フ

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ワン・オブ・ゾーズ・デイズ/ルイジアナズ・ル・ルー (‘20)

ワン・オブ・ゾーズ・デイズ/ルイジアナズ・ル・ルー (‘20)

One of Those Days / Louisiana’s Le Roux (‘20)
このアルバムのリリースは嬉しかった。スワンプ〜サザンロックの名盤をリリースしながらも今一つ盛り上がらず、バンド名と方向を転換するも、産業ロックと評され消滅してしまった印象のバンドであったが、’20年になって元のバンド名を名乗り、ルイジアナのスワンプから戻ってきた。

本作のルイジアナズ・ル・ルーは、ルイジア

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ファンタスティック・フェドーラ/デューク・ウィリアムズ・アンド・ジ・エクストリームス (‘74)

ファンタスティック・フェドーラ/デューク・ウィリアムズ・アンド・ジ・エクストリームス (‘74)

Fantastic Fedora / Duke Williams and the Extremes (‘74)
今回はキャプリコーン・レコードのマイナーなアルバムを紹介させていただこう。本作はデューク・ウィリアムズ・アンド・ジ・エクストリームスの’74年リリースのセカンドアルバムで、彼らはそのキャリアにおいて、2枚のアルバムしか残していない。さらに’73年リリースのファーストアルバムは「A Mon

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アメリカン・ユニバーシティ ワシントン D.C. 12/13/70/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘02)

アメリカン・ユニバーシティ ワシントン D.C. 12/13/70/オールマン・ブラザーズ・バンド (‘02)

American University, Washington, D.C. 12/13/70 / The Allman Brothers Band (‘02)
‘00年代に入って、オフィシャルからリリースされた発掘音源の一つが本作である。名盤「フィルモア・イースト・ライヴ」の3ヶ月前の録音で、収録曲はフィルモア・イースト・ライヴとほぼ同じである。

「リーヴ・マイ・ブルース・アット・ホーム」の最後

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ダイナマイト・モンスター・ブギ・コンサート/レイジング・スラブ (‘93)

ダイナマイト・モンスター・ブギ・コンサート/レイジング・スラブ (‘93)

Dynamite Monster Boogie Concert / Raging Slab (‘93)
‘89年に「ロック・モンスター」でメジャーデビューしたサザンロックバンド、レイジング・スラブのセカンドアルバム。前作同様、埃に塗れた南部ロックを思いっきり聴かせてくれるアルバムである。

ニューヨーク出身の彼らは、デビュー当時「レーナード・スキナード・ミーツ・メタリカ」と評され、サザンロックの豪

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アクロバット/アクロバット (‘73)

アクロバット/アクロバット (‘73)

Acrobat / Acrobat (‘73)
このアクロバットなるバンドについては詳細がほとんどなく、中心人物であったであろうボブ・レーナートが、メジャーデビュー以前のアンボイ・デュークスに参加していたことが最も大きな事柄であろう。ご存知のように、アンボイ・デュークスはテッド・ニュージェントを中心にしてシカゴで結成され、のちにデトロイトで活動したバンドである。

本作をピックアップした理由は、ア

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イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンドの見開きジャケット

イート・ア・ピーチ/オールマン・ブラザーズ・バンドの見開きジャケット

Eat a Peach / The Allman Brothers Band (‘72)
言わずと知れたデュアン・オールマンの遺作にして、サザンロックだけでなく、音楽史上においての名盤「イート・ア・ピーチ」であるが、今回はその見開きジャケットのイラストについて考えてみる。

表ジャケットは巨大な桃を積んだトラック、裏ジャケットは同様に巨大なスイカを積んだ貨車となっている。そして見開きジャケットには

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クローキン・アット・トーズ/フロッグウィングス (‘00)

クローキン・アット・トーズ/フロッグウィングス (‘00)

Croakin’ at Toad’s / Frogwings (‘00)
デレク・トラックス時代のオールマン・ブラザーズ・バンドになる前のオールマンズ、ブルース・トラヴェラー周辺のメンバーで結成されたユニット、フロッグ・ウィングスの唯一作品でライブ盤である。中心人物はオールマンズのドラマー、ブッチ・トラックスで、甥のデレク・トラックスやデレク・トラックス・バンドのメンバーなど、新時代のオールマンズ

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ユーフォーラ/アトランタ・リズム・セクション (‘05)

ユーフォーラ/アトランタ・リズム・セクション (‘05)

Eufaula / Atlanta Rhythm Section (‘05)
‘70年代にスタジオミュージシャンの集まりからバンドに発展したアトランタ・リズム・セクションが’00年代に入ってリリースしたアルバム、「ユーフォーラ」を紹介させていただこうかと思う。

サザンロックにカテゴライズされるバンドの中でも、テクニックやソングライティングにおいて、群を抜いていたのが彼らである。しかも単にテクニッ

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出撃!!/コパーヘッド (‘92)

出撃!!/コパーヘッド (‘92)

Copperhead / Copperhead (‘92)
ノース・カロライナ州出身の5人組、ジャケットから想像されるようなハードロック寄りのサザンロックである。年齢も20代と若く、単なる懐古趣味ではない、自分たちのルーツに根差した音楽を演奏している。

私は当時、大手CD量販店で偶然見つけたのだが、南軍旗に蛇や剣といったモチーフで、それっぽいな〜という印象で購入した。サウンドは先にお伝えしたよう

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ツインドラムが印象的なサザンロック

ツインドラムが印象的なサザンロック

先日、音楽つながりの友人と食事に行き、かつてはミックステープだったのが、今ではプレイリストになっているという話になり、それではプレイリストを作ってみようということになった。まずは利便性が高いということで、Spotifyの音源を使うという取り決めでスタートした。

テーマはいろいろあったが、個人的に好きなカテゴリーということで、サザンロックをチョイスした。その中でも「’70年代〜’80年代のサザンロ

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ファースト&ラスト/レーナード・スキナード (‘78)

ファースト&ラスト/レーナード・スキナード (‘78)

Skynyrd’s First and… Last / Lynyrd Skynyrd (‘78)
本作は、‘77年10月20日の飛行機事故により、最悪の結末を迎えたレーナード・スキナードの初期音源集である。この事故により、活動停止を余儀なくされたが、バンドは‘87年にトリビュートツアーをおこない、それがきっかけとなって活動再開へとつながった。活動再開については、嬉しいニュースではあったが、再結成後

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略奪者/ブラックフット (‘81)

略奪者/ブラックフット (‘81)

Marauder / Blackfoot (‘81)
本作は、サザンロックのバンドの中でも、かなりハードロックに寄ったバンドである、ブラックフットのアトコ移籍後の3作目のアルバムである。アトコに移籍後は、「真紅の砦/Strikes (‘79)」「野生の牙/Tomcattin’ (‘80)」そして本作と、この時期が一番勢いのあった時期ではないだろうか。

「真紅の牙」では、レーナード・スキナードの「

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