「Nサロン」新聞部初参加

10月3日に日本経済新聞社本社で催された「Nサロン」新聞部の「日経新聞スクラム読み合わせ」に、今回初めて参加しました。

名古屋にいる私はオンラインで参加しました。オンラインでの同時開催は新聞部でも今回が初めてとのこと。

データサイエンティストのいごはちさんが選んだのは、3日朝刊トップにあったこの記事。

働き方改革が叫ばれ、明確な目的意識で仕事を選ぶようになりつつある昨今。終身雇傭からの大きな変化だと言ういごはちさんは、賃金体系見直しの必要性を提起しました。身近にも「給料が……」と言って仕事を辞めていく人がいるのだそうです。

HR業界で企画職の西田さんは中国のAI事情に注目。

アフターデジタル時代と呼ばれる今、ごみ箱にまで顔認証が導入されるほどの中国の研究開発費は今や米国に匹敵しています。一方、大きく立ち後れている日本。西田さんは国毎のAIに対する考え方や背景の違いについて話していました。

航空機メーカーに勤務している私からは、エアバスへの補助金をめぐる米欧の貿易摩擦について。

15年間続いており、過去最大の通商紛争とも呼ばれる対立ですが、双方には泥沼化を避けたいとの思惑もあるようです。そこで、3日付『ファイナンシャル・タイムズ』にあったこちらの記事を紹介しました。

この記事の末尾に、新たに航空機の開発を進めている中国に対抗する目的上、米欧は今回の対立で何らかの落とし所を探る必要性に迫られるだろうとの言及があります。

日本でも、国産初のジェット旅客機、三菱スペースジェット(旧MRJ)の開発が進められており、他人事ではありません。これまで納入時期を5回延長してきた三菱スペースジェットは、小型旅客機の業界再編米市場の規制状況による戦略見直しなど、目まぐるしい外部環境の変化に幾度となく晒されてきました。もし、『FT』記事の通り、米欧が揃って中国に対抗するようになれば、その余波が日本にも及んでくるかもしれないことをお話ししました。

最後に、大学院での学びに意欲的な新聞部部長のエビさんが選んだのはこちら。

原告側が「主観的な『人格評価』でアジア系は低い点数を付けられ」たと主張していた点から、私たち日本人が外国人に対して無意識に抱く感情についても話が盛り上がりました。

以上4人の視点から、まとめ役のいごはちさんが導き出した共通点は「世界のグローバル化」。米中のIT競争や三菱重工のボンバルディア小型機事業の買収劇はもとより、日本でも増加する外国人労働者など、今日至るところで私たちはグローバル化の姿を見掛けるようになりました。特にトヨタ自動車の中途採用5割は「外国人も含めて5割」といういごはちさんの指摘は、私にとって盲点でした。

普段新聞を読むときは、時間の制約上、関心の薄い記事は流し読みしてしまうものですが、こうやって複数人で集まると違った視点を与えてくれる、スクラム読みの醍醐味を実感した90分間でした。

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