クリスマスのものがたり
その年のクリスマスはとても寒い日がつづき、今日もみぞれまじりの粉雪がしんしんと降りそそぎ、街の中を凍てつく冷気で閉じこめていました。それでも、往来を行き交う人々の表情には、さみしさや憂いなどはいっさい見られず、みな晴れやかな顔をして暖かな衣服で身を包み、それぞれが大事な人の手を取って通り過ぎてゆく姿が数多く見られました。それら群衆のなかを縫うようにして、ひとりの少女が歩いてゆきます。彼女の名前はカミラといいました。
カミラの両手には、紙袋に入った荷物が持ちきれないほど抱え