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売れるネーミング術~買うワケを客に考えさせる~

注目を惹く『キャッチコピー』や共感を呼ぶ『社会記号』等、ネーミングのセンスで売り上げが大きく左右されるのは有名な話です。今回は、”メニュー名”に注目して、売れる居酒屋と売れない居酒屋をPR視点で分析してみました。

あなたは”売れるメニュー”と”売れないメニュー”を当てることができますか?

突然ですがここで質問です。下のメニューを見てあなたは『売れるメニュー』と『売れないメニュー』の違いが分かりますか?

A:スルメイカの刺身
B:北海道釧路産スルメイカの刺身

答えはBです。簡単ですよね?このように並べてみると、感覚的に判断ができるかもしれません。しかし、Aはなぜ売れず、Bはなぜ売れるのか?を考えてみると、PRで活かせる技術が沢山隠れていました。

人は因果関係を自分で作り出す生き物だ

ロジックの穴埋め

心理学上では、『人は因果関係を自分で作り出す』と言われています。簡単に説明すると、筋道が合わない話をされた時、自分で考えて正しいロジック(話の筋道)を作り出すという事です。
例えば、朝遅刻をしたデキる新入社員が『すみません!今日は雨が降っていたので遅れました(汗)』と遅刻の原因を、焦りながらあなたに伝えてきたとします。もちろん、”雨が降っていた”は遅刻の直接的な原因として論理が合わないでしょう。ですが、それを聞いたあなたは、”雨が降っていたので電車が遅延してしまったんだな”や”雨が降って来たので傘を購入しなくてはならず遅れたんだな”、と無意識に頭で整理するでしょう。
これは、あなたが論理的ではない!と言っているのではなく、科学的に証明された人間の性質でもあるのです。

売れる居酒屋は注文する理由を客に考えさせている

刺身

売れるメニュー名は、この人間の特性を上手く活用して考えられています。”北海道釧路産スルメイカの刺身”を例に挙げると、お客は『北海道の釧路で育ったスルメイカはきっと美味しいだろう』と無意識に考えさせられています。よく考えると、”天然とは記載していない”ので、生簀で育った養殖かもしれませんよね(汗)。
ちなみに、その立ち飲み屋では、全てのメニューに『天然!大分産のブリの刺身』や『大好評につき復活!銀鮭のホイル焼き』等、メニューにコピーがつけられていました。どの商品も、満席の店内で飛ぶように注文が入っていました。(銀鮭のホイル焼きはその日のまかないでスタッフが食べていたので、恐らく食材が余っていたのでしょう)

お客が欲しいのは”注文する理由”なのです。正確なロジックは必要ありません。極論を言うと『新入りスタッフが初めて作った!愛情グラタン』でも、なぜか食べてみたくなりませんか???

商品の売りを細分化して考える

では、どうすればこの様なコピーを考えることができるでしょう?それは、メニュー(コンテンツ)の売りを細分化して見ることがポイントです。居酒屋のメニューで説明すると、”産地””作り手””価格””調理方法””素材””流通方法”など、幅広くメニュー(コンテンツ)ができるまでの時系列を考えていくのです。
この作業、PRの訴求ポイントを考案するのと同じ思考回路ですよね?逆に、『注文する理由を客に考えさせる』という居酒屋のメニューを考えるスキルを、プレスリリースに生かすこともできますね!

買うワケを客に考えさせると売れる

『居酒屋のメニュー名』を例に、解説しましたが。。。
まとめると、お客が欲しいのは”注文する理由”であること、そして、理由を与えて(考えさせて)あげれば購入に繋がる!ということです。そこに、正確過ぎる強みや特徴は必要ありません。

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