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詩20230626-

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詩 20230626-
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#自由詩

詩:食べられる

詩:食べられる

下心の背後に暗雲がやってきて

君を食べちゃう

だからそう私は

気が狂うのだ

食べられている君を見ていたら

そりゃおかしくなるだろうよ

君を食べ終えた暗雲は

人の味を覚えた暗雲は

さいごに私を食べる

詩:家と煙草

詩:家と煙草

家の内で煙草吸うとにおいがいやだから

やめろと

家の内でglo吸うとにおいがいやだから

やめろと

家の外で煙草吸うとみっともないから

やめろと

家の裏で煙草吸うとにおいが家に入ってくるから

やめろと

でもぼくは煙草をやめる気はない

だって父が

ベランダ占拠して煙草吸ってるから

それにやめられないし

童話詩:最近のハトマン

童話詩:最近のハトマン

人間たちからエサをもらいすぎて太っているドバトたちを見て鳩平和ポッポ連合のハトマンは嘆きました。

クルックー。なんということだ。我々鳩は人間に依存しすぎているのかもしれませんな。

そこでハトマンは法を制定して鳩たちに通達しました。

いわく、ドバトは人間からのエサをもらってはいけない。と。

しばらくするとハトマンのもとにたくさんのドバトたちがやってきました。

ハトマンさん。我々はこの度の法

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詩:君と話していると

詩:君と話していると

君と話していると

何かが変わる気がする

移ろいゆくこころ

成長していく気持ち

新鮮な出会い

変わっていくのは私だけだろうか

君も変わるだろうか

詩:ここにいるよ

詩:ここにいるよ

ぼくはここにいるよ

きみはどこにいるんだろう

だいじょうぶだよ

ここにいるから

いつの日も

ここにいるよ

きみのために

詩:毎日 YMO“Perspective”より着想

詩:毎日 YMO“Perspective”より着想

毎日カーテンを開けます

毎日顔を洗います

毎日体操をします

毎日君に会います

毎日皆と話します

人はカーテンのように別れてはまたくっつく

それが人間らしいというものでしょう

そうなのでしょう

毎日皆と別れます

毎日君とさよならします

毎日体操をします

毎日お風呂に入ります

毎日カーテンを閉めます

人はカーテンのように別れてはまたくっつく

それが人間らしいというものでしょ

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詩:心が辛いときは

詩:心が辛いときは

落ちこむこともある

鬱っぽくなることもある

そんな時は

ちょっと歩いて

できるだけ誰かと喋って

美味いもの食べて

ぐっすり寝て

それだけ

詩:夜を駆け抜けていく

詩:夜を駆け抜けていく

夜を駆け抜けていく

思わず悪夢を見たよ

夜を駆け抜けていく

悪夢を次の夢で塗り潰す

夜を駆け抜けていく

夢が消えていく

夜を駆け抜けていく

詩:キスの染み

詩:キスの染み

君と口づけしている間は言葉は生まれないけれど

口を離せばやっと言葉が生まれ出てくる

キスでできた染み

たとえその染みを消したくて

何度洗っても

とれないからぼくは隠してしまった

しかしもし

染みが簡単にとれてしまったら

生きるのはつまらない

羽田光夏さんの詩「黒歴史」より着想を得ました。光夏さんありがとうございます!

童話詩:くるみ割り人形のおじいさん

童話詩:くるみ割り人形のおじいさん

腰の曲がったくるみ割り人形のおじいさんがいました。

おじいさんは口をガタガタ何かを言っています。

でも歯がないので何を言っているかわかりません。

そこでぼくはおじいさんの口にくるみを入れました。

おじいさんは口をガタガタして見事くるみを割りました。

おじいさんはぼくに向かって大きな声でこう言いました。

わしはくるみ割り人形じゃない!

残念ながらおじいさんはくるみ割り人形ではなかったの

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詩:不毛な会話

詩:不毛な会話

煙草って咥えた瞬間エロい匂いする時あるよね。

えーそうかなあ?

音楽って聴いた瞬間エロい時あるよね。

それはあるかも。

私は煙草に音楽と同じか時々それ以上にエロスを感じる時があるのさ。

えーそれは君が重度のニコチン中毒なだけか重度の変態なだけだよ。

そうかもしれない。だから私はこの話をいろんな人にしているんだ。

やっぱりただの変態じゃないか。

何を言う。エロスは感じようと思えば何に

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詩:思わずランデブー

詩:思わずランデブー

くしゃみして

渡っていた横断歩道を

思わず振り返ると

君がいたから

お茶を飲んで

ランデブー

これから映画でも観に行こうか

そこまで時間ないの

映画は無理かあ

また誘ってね

はい

お茶を飲んで

ランデブー

そんなひと時