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Vol.121 『何のためのテスト?』⑤

 昨日は第5章の読書会でした。5章には具体的な実践が書かれていたのでわかりやすかったです。ただ、わかりやすいからこそ読む側の経験によって情報の受け取り方が変わるなぁと思いました。あらためて文章を読むときに「経験を通して読む」ということをしていることに気がつきました。経験を通して読んでいるなんて当たり前のことかもしれませんが。人が想像できる範囲って限られていますから。

関係に基づく評価の三つの主要な目的に戻ることにしよう。第一に、評価は学びのプロセスを豊かにするものでなければならない。これには、さまざまな活動にフィードバックを与えること、生徒の教科への理解を促すこと、生徒の学ぶ力を高めることが含まれる。第二に、関係に基づく評価は、学びのプロセスへの継続的な関わりを促すものでなければならない。・・・第三の目的は、生成的な関係を育むことである。・・・

Kenneth J.Gergen(2023),何のためのテスト?評価で変わる学校と学び P100

 最近、「プロセス」に目を向けることが多いです。一人ひとりの学びのプロセスに目を向けて、その子がその考えに至ったのはどんな背景があったのかを知りたいと思うことがあります。ですが、たいていその子の学びのプロセスがわかるのは過程の途中ではなく「学習の最後」にわかることが多いです。それでは遅いので、なんとか見取ることができるようになりたいなと思っています。

 なので、見取るために一人ひとりの学びの過程を段階や部分部分に分けて見取ろうとしています。「知る・分かる・使える」や「主張・論拠・根拠」といった感じです。そこに子どもたちの現在地や話している言葉を当てはめて

  • 「この子の現在地はここだな」

  • 「この子の考えに足りないところがあるな」

といったふうに見取ろうとしています。ですが、学びの過程って複雑ですし、行きつ戻りつするものですし、こんなふうに見取れるものではないですね。

 先日、

社会科を楽しく学ぶ会

 こちらの会に参加してきました。はじめて会う先生方ともたくさんお話しすることができたのでおもしろかったです。

 そのときの、石井先生の言葉が印象に残っています。

  • 子どもと同じものを見たときに子どもを理解できる

  • 子どもの目線の先を見る

  • 教師の側に具体的な仮説(目標)があることで、「自分はこう考えたけど、この子はどう考えたのかな?」と見ることができる

  • 子どもの隙が見つかる

 といった言葉です。今の僕は、なにか理論を見つけてそれに縋ろうとしていました。ですが、そうではなくて、ちゃんとその場で何が起きていたのかを知ることを大切にしないといけないなと思いました。

 だからこそ、2学期はたくさん自分の授業を文字起こししてみようと思います。文字にすることで見えてくること、付いてくる力がありそうです。まずはここからはじめてみます。

 由井薗先生の話も、過ごした時間もすごく貴重な体験でした。先生としても人としても心から素敵なお方だなぁと思いました。またお話しを聴く機会を見つけて聴きに行こうと思っています。

 読書会のふりかえりから社会科のセミナーでの学びにつながりました。意識して過ごしているといろいろなこととつながりますし、自分の学びがどんどん深くなっていきそうです。

 まだまだわからないことだらけです。夏休みもあと少しですがじっくり考えることを大切に、時間をかけてあれこれ試行錯誤し続けます。

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