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脳震盪の主な症状

今回は脳震盪の主な症状などについて紹介します!

1.脳震盪とは

脳震盪は、
「頭部打撲直後から出現する神経機能障害であり、かつそれが一過性で完全に受傷前の状態に回復するもの」
と定義されています。

脳震盪は、脳に、明らかな出血は認めませんが、一時的に脳の活動に障害が出るものを指します。
脳震盪の問題点は、軽症と捉えられること、受傷後に再発しやすく、その結果重症化しやすいことが挙げられます。

近年、脳震盪を繰り返したアスリートが歳をとってから行動異常、精神異常、認知障害を発生させる慢性外傷性脳症が注目されています。
慢性外傷性脳症については、後程紹介します!

2.受傷機転、予防

受傷機転としては、ボクシングやサッカーなどのコンタクトスポーツに多いですが、野球やスノーボードなど幅広いスポーツで発生します。
頭部の回旋外力が原因であり、選手同士や設備との接触、転倒、ボクシングのパンチによる頭部の揺さぶりなどが原因となります。

予防としては、マウスガード、ヘッドギア、ヘルメット、フェイスプロテクターなどが用いられますが、明確な予防効果はありません!
他の予防方法としては、頚部筋群のトレーニングやルールに則り危険なプレーを回避することが重要です。また、様々なスポーツで選手の安全に配慮したルール改正が行われています。

3.症状

症状としては、意識精神活動(記憶力・見当識・反応時間・易刺激性)、平衡感覚自覚症状(頭痛・めまい・睡眠障害)など幅広い脳機能に障害が出現します。
重要なのは、意識障害がでていなくても脳震盪である可能性があることです!上記のどれか1つでも症状が出現している場合は、脳震盪を念頭に置きます。

一般的に、1週間程度で症状は改善することが多いですが、小児・若年者・女性では症状が長引きやすい傾向があります。
成人で10〜14日、小児で4週以上症状が持続するものを脳震盪後症候群といいます。

4.慢性外傷性脳症

慢性外傷性脳症とは、ボクシングやアメリカンフットボールの引退後に認知機能や運動障害が出現するもので、近年注目されています。
現在は、様々な原因で誰でも起こりうる病態と認識され、アルツハイマー型認知症と同様な発生機序があることが知られています。
症状としては、行動異常、精神症状(攻撃性やうつなど)、認知障害(注意障害や記憶障害など)

6.まとめ

今回は脳震盪の主な症状などについて紹介しました!
次回は、スポーツ現場における脳震盪の評価について紹介するので、ぜひそちらも読んでみて欲しいです!

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