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竹美のホラー映画論

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ホラー映画について考えたこと、またそれに関連する作品の評をまとめました。
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#アメリカ映画

サム・スミスと悪魔映画の楽しみ方

日本では公開されてからラッセル・クロウの新しい当たり役としてファンの間で話題になっている…

竹美映画評86 ヒステリーを起こしかけているアメリカ? 『フォーエバー・パージ』(…

今やホラー・スリラー映画のヒットメーカーであるブラムハウス社がライフワークのごとく続けて…

家族ホラー2作品

『ホール・イン・ザ・グラウンド』と『The boogeyman』を続けて観た素敵な土曜日。ららら。本…

竹美映画評76 笑って震えて 『Evil dead rise』(2023年、アメリカ)

インドでアメリカホラー映画を次々に観ることができ、(字幕無しだったり英語字幕はつらいもの…

竹美映画評68 機械仕掛けのビッチはアメリカをぶった切るか?『M3GAN』(2023年、ア…

ブラムハウス・プロダクション社は、『ゲット・アウト』に代表される所謂ソーシャルスリラー作…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ⑩GoodとBadか、GoodとEvilか

『ストレンジャー・シングス』シーズン4のエピソード7までを観た。ヴェクナの正体が明らかに…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ⑨どこまでも憑いてくる(最終章)

人類に幻滅したら北欧ホラーをどうぞさて、前回少し触れた、「悪」が自分の中に胚胎し、常に一緒にいるのだとする思考法について。 ル=グウィンは、ファンタジーは読んだ者を永遠に変えてしまう力があるのだと書いている。世の中を苦労しながら生き延びて清濁併せ呑むことができるようになり、グレーな「大人の事情」に納得がいく人にとっては、ホラーやダーク・ファンタジーは無用かもしれない。「自分はこんなのではいけない」「こんな自分は嫌だ」という、とても倫理的だが欲望を抑圧する否定の気持ちが心の中

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ⑧陰謀論に共鳴する私の弁明

前に紹介した西崎憲は、アメリカの都市伝説と陰謀論好きな傾向について以下のように書いている…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ⑦アメリカホラー映画の立役者、悪…

悪魔映画のアメリカアメリカのホラー映画を考えて来た中で、LOVEや善に対置される存在、「悪魔…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ⑥アメリカホラー映画を彩るLOVE

LOVEはアメリカを救う今回はソーシャルスリラー性が全く無いホラー作品群についても見て行きた…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ④フェミニズムとソーシャルスリラ…

さて、『ゲット・アウト』がオスカーを受賞した2017年、映画プロデューサーのハーヴェイ・ワイ…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会③「差別する人」だと思われたくない

民主党支持の白人が黒人を搾取するホラー映画がアカデミー賞脚本賞受賞。ソーシャルスリラー作…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会 ②ロビン・ウッドの論から見たソー…

今回は、ホラー映画に関する優れた論評を残したロビン・ウッドの論を紹介し、彼の論を援用しつ…

ソーシャルスリラーとホラー映画から見る現代社会

長らくホラー映画に関する考察をしたいしたい夏(サセコさん)だったのだが、ようやくまとまって二万文字くらい書いた。これから少しずつ出していこうと思う。細かい出典は後から付け加えたい。私の中にある、アメリカ映画への強い憧れと賛美、そして反発と蔑視という屈折した思いが書けたらいいなと思いながら書いてみる。 ①ソーシャルスリラーの冒険2017年にアカデミー賞脚本賞を受賞した『ゲット・アウト』は、ソーシャルスリラーという新しいホラー映画のサブジャンルの代表作である。同時期にアカデミー