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竹美映画評98 加害性と悲劇性が交差する 『スケアリー・アパートメント』(”Malasaña 32”、2020年、スペイン)
本当に映画を観る体力すら落ちて来ている気がする。ものすごく暑い。 とは言えなんか見ようと思ってスペイン・ホラーの『スケアリー・アパートメント』を観た。前半は、どこかで観たような気がする描写の畳みかけをスペインホラーらしい「影」で表現していて、まあまあかなと思っていたが、後半、怪異の正体が分かってからの流れは、2024年の今、全く違う地平も見えて来て奇妙な感動と困惑が残った。 あらすじ: 1976年。農村から都市マドリードのアパートに引っ越してきた一家。慣れない都会生活とあ