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偶然が重なって初めておとぎ話のライブを観に行った話。


2021年5月2日。


僕はネタ合わせで吉祥寺にいた。

いつものようにマクドナルドで新ネタについて話し、
近くあるオーディションに持っていくネタについて話した。


16時を回った頃店を出て相方と別れ、その足でリサイクルショップに向かった。
時間があればリサイクルショップでTシャツをディグるのが趣味なのだ。


モードオフ。
使える金もそんなに無い僕はとにかく安く良いTシャツが落ちてないかと躍起になって探した。

ラックにかかっている服を見ながら「今日はそんなだな」なんて思っていると、一枚のTシャツが目に入った。

おとぎ話のTシャツだった。


「ああ、確か峯田の本で紹介されてたな。知らんなぁ、聴いたことないわ。メルカリで高く売れるかなぁ。とりあえず安いから買って帰ろ」


レジで精算を済ませ店を出た。

良い機会だし聴いてみるかとSpotifyでおとぎ話を聴いた。



格好良かった。

めちゃくちゃ良かった。
なぜ今まで聴かなかったのか。そりゃあ峯田もわざわざ名前出すよなと思った。
考えてみれば僕の周りにも好きな人が多い。教えてくれよ。

僕はそのままおとぎ話を聴きながら京王井の頭線に乗り帰路に着いた。

次の日は労働で前日から辟易した。いつまでバイトの日々が続くのか。



次の日、僕はバイト先のスピーカーにBluetoothを繋げ、ずっとおとぎ話をBGMに仕事した。
苦な労働時間はだいぶ紛れたし、
聴きたかった音楽を聴きながらの労働は、知らない曲を聴く環境としては良いのかもしれないなと思った。



16時までの労働を終え帰宅しようと思ったが、コンビニでの買い物を思い出した。
僕は怠惰である。歩いて1,2分の場所でさえ煩わしい、怠い、と思ってしまう。

仕方ないのだとコンビニに向かって歩くと途中にライブハウスがある。
新代田FEVER。
出演者を見ると「おとぎ話」と書いてあった。

おとぎ話。このタイミングである。

僕はそのままFEVERに入り当日券の有無を訊いた。
「少々お待ちください」とスタッフの方が奥へ行き確認を取ってくれた。


5分ほど過ぎ「かかるなぁ、そんな確認することあんのかな」なんて思って出演者の書かれた紙を見ると
ゴリゴリsold outと書かれていた。

このコロナ禍で客席は減らしての運営、当然である。
嗚呼、この奇跡に僕は立ち入れないのかと残念な気分になってFEVERを後にしようとすると
「大丈夫です」
とのことでそのままチケットを買った。
恐らくキャンセルが出たのだろう。

ライブは17時から。ギリギリである。


奇跡が重なって見る初めてのおとぎ話のライブ。最高だった。語彙力の無さが悔しいが、それでも多く無駄に語るよりは良いと思っている。
最高は最高なのだ。


知ったばかりである。知らない曲が多い。
それでも良かった。
この時代でアーティストもライブハウス側も大変だと思う。
感染対策をしっかりとしたライブは、皆それぞれ楽しもうとする、それはコロナ禍前とはまた違った良い一体感があった。


約2時間のライブ。
会場を出てすぐに友達に電話して感動を伝えた。
一緒になって感動してくれる人間が周りにいることも嬉しいじゃないか。


俺に教えてくれるためにTシャツを売った人ありがとう。
大事にするね。


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