すらすら読める人事小説:部下を持つ⑩
くしくも、この瞬間が新生新卒採用チームの船出の瞬間だった。記念すべき第一歩としては、少々貧弱な場の設定である。山田は、新生チームの船出は、もっと華やかに豪勢に行きたいと常々思い描いていた。
「あ、ああ。よろしく。山田です」
それにしても、聞いていないことだらけじゃないか。東口の他にもメンバーがいたなんて。しかも入社したばかりの新卒社員とは。俺に新人教育もやれと言うのか。
山田は心の中で、数日前に描いたチームビルディングの計画が早速狂いだしていることを感じた。
「今日の段取りは