連続小説:部下を持つ 25
ほとんどの内定者が不安を口にした。東口のアドバイスがまたも空振りに終わりかけたとき、一人の内定者がはっと気づいて発言した。目黒葉子、大阪の私立大学出身者だ。
「もしかすると、お客が来なくて困っているお店であれば話を聞いてくれるかもしれん」
そんなことはわかっているが、それがどこにあるかわからないから困っているんだという意見が相次ぐ。片っ端から電話をかけまくれば別だが。
「例えば新規オープンのお店とか、目立たない場所にあるお店とか、きっと集客に困っているお店はあるはずよ」
「な