気づいたら、サークルクラッシャーみたいなことになっていた

“恋人のような人”ができました。
それからあまりときを空けず、既婚の“ちょっと遊ぶ人”もできました。

その奥さんも含めた登場人物4人が知り合いという狭い世界でのできごとです。同棲していた恋人と別れてからしばらくして、20代後半のころでした。

落ち着いて考えれば、やっていることがメチャクチャです。イップスを発症してから多くのテニス仲間とも距離をおいていました。恋人との別離・友人と疎遠になったことによる孤独。オーバーワークの疲労。もう頭がおかしくなっていたとしか思えません。

「誰でもいいからすがり付きたい」「必要とされたい」と自分が思っていることを、さすがに自覚していました。「失うものなどない」とも思っていました。いつか誰かに刺されるかもしれないと、夜道を警戒しながら帰宅していたものです。異常ですよね。

そんな私の状況に、高校時代の友人が苦言を呈してくれました。でも当時の私は「彼女は私のことをわかってくれない」と感じてしまったのです。

だって私はこんなにつらいのに。
だって私はこんなに苦しいのに。

そんな言い訳をしながら、背徳感と一瞬のモテ気分を楽しんでいたのです。それに、かたちは歪んでいたかもしれないけれど、その男の人たちが当時の私の心を一応健全に保っていたのは事実でした。そして、高校時代の友人とも疎遠になってしまいました。

ただ、そんなことを長く続けていた訳ではありません。バレるのは時間の問題だと、いくらなんでもわかっています。

恋人のような人とは、一応お別れしました。もともと寂しさを紛らわすためだけの存在でしたから。そのあともズルズルと連絡をとったり会ったりはしていましたが、それは自分を甘えさせようと割り切っていました。

ちょっと遊ぶ人とは、すぐに自然と会わなくなりました。そりゃあそうです。もともと遊びなのですから。


また一人になり、また繰り返す仕事ばかりの日々。いよいよ状況は深刻になってきたのでした。

夜眠れない、記憶が欠落する、やる気が出ない、ソワソワして落ち着かない、急行電車に乗るのが怖い。

そして、ついに行ってみることにしたのです。心療内科に。

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