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好きの瞬発力をあげていきたい

久しぶりに夕方に家に居て、ぼーっとしている時に目に入った景色。

西陽がめっちゃ綺麗。

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私の家の隣の家とその隣の家のほんのわずかな隙間から、まっすぐに光が差し込んでいる。

ほんのわずかな隙間なので、太陽の角度によっては光が入ってこない時期もあるんじゃないかな。

日の長さや、天気の状況によっても、その光には出会えないはず。

さらには私がその時間に家に居て、ちょうどぼーっとしているという条件がうまいこと重なる時なんて、確率としてはめっちゃ少ない。

そう考えたら、こんな何気ない光景でもやけにありがたく思えてくる。

同じ光には二度と出会えなかった

アートを学んでいた学生時代、「写真」の授業があった。なんでもいいからモノクロフィルムで数本分写真を撮ってきて暗室でリールに巻きつけ、フィルム現像し、暗室でプリントするという授業。

私はこれ(暗室作業)がめちゃくちゃ好きすぎて、暗室にこもりきった酢酸くさい青春を過ごしたわけだけど、写真というよりも暗室作業が好きなだけだったので、特に撮りたいものとかはなかった。

それでも、何かを撮らないと大好きな暗室作業が始められない。

だから朝早くとか夕方とか、バイトや授業の合間に自転車でうろうろしながら、その辺の道端でいろんなものを撮った。

そのうち、物の影を撮るとモノクロプリントの仕上がりが造形的に面白くなることに気がついた。

さらに光と影は完全に読み切れないところもある反面、焼き方や現像の仕方である程度の意図が反映できることもわかってきて、ますます面白く、のめり込んでいった。

だから影ばっかり撮ってた。

工事途中の建物の水たまりに光が当たったようすや、朽ち果てたドアや、壁に突き出た蛇口なんかの影を好んで撮っていたのだが、やがて私はあることに気がつく。

うわかっこいいのが撮れた!と思って、

でもここの構図がちょっと気になるから撮り直そうと思ってその場所に戻っても、

「もう二度と同じ写真は撮れない」

ということに。

天気や、日の出や日の入りの条件で光の角度が変わったり、工事が進んでしまったり、朽ち果てたドアは撤去され、蛇口の前には車が駐車されていたりするからだ。

当たり前だけど、同じ瞬間は二度と来ないのだ。


好きの瞬発力をあげたい


それって日常生活でも同じで、

またいつでも行けると思っていた場所に行けなくなったり、

またいつでも会えると思っていた人にもう会えなくなってしまったり、

そういうのが、急に来るから困る。

で、素敵なことに限って、「後で」がきかないんだよね。


だから、

美しい!と思ったらその時すぐに行動できるように

好き!と思ったらすぐに好きと言えるように

好きの瞬発力を上げておきたいなと、思ってる。


だから、私に急に「スキ!」って言われたとしても、つまりはそういう理由なので、

「お、おう・・・」

って、おおらかに受け止めてくださると幸いです。


というわけで、

今後ますます、好きの瞬発力を強化して行きたいと思う所存です。





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