昼下がりのスコーンと、イギリスのまあるい紅茶、会えるというしあわせ。
「英国フェアがあるのでいっしょに行きませんか?」と、かつての花嫁さまから連絡があった。
わたしはそもそもが出不精だし、友達も少ないうえに、コロナでさらに出かけなくなった。しかも今は繁忙期だ。
ある日仕事でヨレヨレになっているとき、かつてルーロットで「イギリスのピクニックみたいな結婚式」をプロデュースさせてもらった花嫁さまから、お誘いの連絡があったのだ。
繁忙期なのでちょっと迷ったけど、行くことにした。ちょうど忙しいなかでもぽっかり空いた「待ち」の期間だったし、わたしよりうんと年下の彼女が、かつて仕事で関わった年上の女性を誘うのって、それなりに勇気が必要だと思ったからだ。何よりも、単純にうれしかった。それって、結婚式を心から喜んでもらえた証拠だと思うから。
久しぶりの彼女と、2歳になる孫との再会。(わたしが結婚式で関わった花嫁さまの子どもは自動的にわたしの孫に値するというシステム)やっぱり孫はかわいい。
ザ・ランガム・ロンドンのスコーン
催事場に着いたら、まず「ザ・ランガム・ロンドン」のスコーンにならぶ。これは去年も二人で買って、めちゃくちゃ美味しかったのだ。
初日ということもあって、行列ができていた。しかしそこで食べるわけではないので、思ったよりも行列は早く進む。
スコーン職人さんが、手際よくコネコネしているのを眺めていたら待ち時間もけっこうあっという間だった。
スコーン職人さんが、花嫁さまに抱っこされていた子どもに手を振ってくれた。やさしい。子ども好きな職人さんがこねているスコーンはぜったい美味しい気がする。スコーンはしあわせのお菓子だから。
うわ〜、どの味にする〜? と悩む時間も楽しい。
悩んだすえに、プレーン2個と、アールグレイいちぢく、オレンジチョコチップをひとつずつ購入。クロテッドクリームも。(これ大事)
楽しみすぎる。ロンドンには行けないけれど、心をイギリスに飛ばして食べることにしよう。
Tetley(テトリー)の丸いティーバッグの紅茶
そして、大好きなテトリーの紅茶も忘れずに購入した。
この紅茶のいいところは、まず、色が濃いところ。そして、濃いのに渋くなくて、ミルクティーに最高なのだ。
丸いティーバッグっていうのも、イギリスっぽくてよい。イギリスのカフェやB&Bで紅茶を飲むと、だいたい銀色のステンレスポットで供される。こっそりと中をのぞいてみると、まあるいティーバッグが入っている。あ〜コレコレ。ぜんぜんかしこまってないのがいい。イギリスに来たって感じがする。
今年は大きいものを買った。少し前まで成城石井でも見かけたけど、最近ない時があって、買える時に買いたいのだ。
▼テトリーの紅茶については、こちらのnoteで詳しく紹介している。昔のnoteなのに、今だにビュー数が多い謎の人気記事。
誘ってもらえる、しあわせ
英国フェアのあとは、三ノ宮のオープンカフェでランチ。気持ちよかったな。
彼女は、「久しぶりに街に出て、人と話せて気分転換になりました」って言ってくれた。そうだよね。子どもがいたら、出かけるのも好きなものを買うのも難しい。
それはわたしも同じで、ものすごく気分転換になった。やっぱり誰かと話すのって、いい。それに結婚式が縁となって、こうやって誘ってくれたのが、わたしにとっては何よりもしあわせだった。なんか、仕事やっててよかったなって思う。
イギリスにも行けないし、まだ自由に人とは会いにくいけれど、繋がることはできる。大好きな憧れの国や、美味しいものや、結婚式の思い出、いっしょに過ごした時間の記憶、そんなものでいくらでも。それらは、きっとわたしたちにとって、
ぜったいに必要なものなんだ。
そして、そういうものをつくるのが、わたしの仕事だ。
※いしかわゆきさんの「書く習慣」1週間プログラムに参加しています。今日は3日目。お題は「買って良かったもの」
※noteコンテスト #はたらいて笑顔になれた瞬間 に参加しています。
だれにたのまれたわけでもないのに、日本各地の布をめぐる研究の旅をしています。 いただいたサポートは、旅先のごはんやおやつ代にしてエッセイに書きます!