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ロボットの活用とは経営戦略なのか?

ロボットを使う企業と使わない企業は何が違うのだろうか?

同じ業種だからといって、同じようなロボットが活用されるわけではない。
というか、同じような作業に見えても、ロボットで行うという人もいれば、人で行うという人もいる。

以前に書いたように、中華料理チェーン大手の「餃子の王将」と「大阪王将」の人手不足へのアプローチが違うのが象徴的です。

ざっくりいえば、大阪王将は、人力に頼っていた調理を代行する調理ロボットを活用。一方、餃子の王将では、人による調理を追求すべく店員の調理スキルを磨く「王将調理道場」を開設。

ということで、ロボットによりプロと遜色ない調理を目指すか、プロの養成に重きを置くかという企業としての方向性の違いがあるように見える。
(もちろん、大阪王将は人のスキルを軽視しているとか餃子の王将は自動化・効率化を軽視しているという話ではないです)

中華料理以外でも、飲食店のロボット化で先頭を走った「すかいらーく」は、3000台の配膳ロボットを導入し、それ以外のDX化もドンドン進めています。

一方で、素人目には同じような作業内容にも見えるファミレスのサイゼリヤは、配膳ロボットに関してはテスト導入したものの本格展開というところには至っていない。

具体的には、2021年2月からソフトバンクロボティクスの配膳ロボットを千葉富士見店などに導入開始し、年間50店舗ほどを導入することを検討したようだが、23年4月には全店展開を止めたとのこと。

別にロボットの性能という問題ではないだろう。
記事によると、
・サイゼリヤのホールスタッフは時速5キロ以上の早歩きが基本
・皿を下げるときの持ち手もルール化(サイゼリヤではスタッフが複数枚のお皿を同時に配膳)
・サイゼリアには、お盆に乗った定食のようなものはなく、人の方が1往復で何人分も運ぶことが可能
とのことで、ロボットのメリットが少ないと判断したのでしょう。

かといって、全然DXに無縁かというわけではなく、スマホ注文、セルフレジなどは進めているし、ロボット化という意味では、食材の加工工場内で自動化には積極的で、食材などはAGVを使って自動搬送されています。

結局は、ロボットをどう使うか、そもそも使うか使わないかというのは、オペレーションの中で効果が出るかということであり、それは店舗設計、商品設計、そして、標準作業次第に大きく依存するということ。

店舗の通路の幅であったり、商品のお皿の大きさ、料理の量、お客様の滞在時間、接客の仕方などなどによっても、ロボットが向いている向いていないもあるでしょう。

さらに言えば、それは企業としての戦略そのものであり、もっと言えば、企業としての理念に行き着くのではないかと。

飲食を事例にあげましたが、なんのために事業を行っていて、そのために最適な経営戦略や商品戦略があり、それを実現するための日々のオペレーションがある。

DXやロボットはあくまでも手段である。
当たり前のことを久しぶりに考えされられる記事でした。

では、また~!!
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安藤健(@takecando)
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