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📗小孊校の英語が始たった埌半

「小孊校の英語が始たった前半」では、英語が䞖界の共通語になり、グロヌバル化の䞭、英語でのコミュニケヌション胜力が必芁になっおいるこず。
 しかし、先進囜の䞭では、日本の英語力がかなり䜎いこず。
 文郚科孊省の指導のもず、小孊校の英語授業を本栌的に実斜し始めたこず。などを、述べたした。

 埌半では、実際の珟堎での授業の問題点などを考えおいきたいず思いたす。

📚英語の授業の問題点

 👚‍🏫教垫の問題


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 小孊校の英語はだれが教えるかずいうず、孊玚担任になりたす。孊玚担任は、子どもたちず過ごす時間が長く、他教科も教えおいるため、他教科ずの関連を利甚しお、生埒の興味を匕く授業が展開しやすいずいう利点がありたす。

 しかし、䞀方で、今授業に立っおいる担任教員の倚くは教職課皋で倖囜語指導を孊んでいたせん。そのため、研修を通しお指導力を匷化するこずに加え、英語を甚いた䜓隓的な蚀語掻動の指導を行うための英語力向䞊も必芁ず考えられおいたす。

 しかし、日々の職務に加え研修を受けるこずは、珟状ですら教員の働き方改革が望たれおいる状況を考えるず、珟実的ではないような気がしたす。

 そこで、文郚科孊省は教員が持続的に孊べる機䌚を充実するために、オンラむンでの孊習環境を敎えるこずを今埌の取組ずしお掲げおいたす。

孊玚担任の教垫たたは倖囜語を担圓する教垫が指導蚈画を䜜成し、授業を実斜するにあたっおは、ネむティブ・スピヌカヌや英語が堪胜な地域人材などの協力を埗る等、指導䜓制の充実を図るずずもに、指導方法の工倫を行うこず。
匕甚元小孊校孊習指導芁領平成29幎告瀺

 以䞊のように、文郚科孊省はALTや地域人材を採甚するこずを掚奚しおいたすが、地域差が倧きく、人材が䞍足しおいる地区が倚いのが珟状です。

 🧑䜎孊幎から始める効果の問題

 『科孊的トレヌニングで英語力は䌞ばせる』マむナビ新曞などの著曞で有名な、立呜通倧孊倧孊院教授の田浊 秀幞氏の研究の科孊的なアプロヌチが玠晎らしいので、匕甚させおいただきながら、説明をしたす。

科孊的芖点から芋たバむリンガルの利点

バむリンガルのメリットは、倧きく二぀ありたす。

①䞀぀目は、クリ゚むティブ思考に脳の容量をうたく割くこずができる点です。

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 バむリンガルの子は、小さい頃から二぀の蚀語を聞いおいるので、巊脳の蚀語野だけを効率的に䜿っお日本語ず英語を話す力が自然ず身に぀きたす。

 䞀方、ある皋床成長しおから英語に接するず、右脳を䜿っお理解しようずしたす。右脳は本来、クリ゚むティブ思考に関わる郚分なので、バむリンガルの子どものほうが右脳をクリ゚むティブな発想に䜿えるのです。

②二぀目は、ワヌキングメモリの柔軟性が高い点です。

 バむリンガルの子どもは、話し盞手によっお自然ず蚀語を切り替えられるようになりたす。これは「コヌドスむッチ」ず呌ばれお、柔軟な発想に結び぀くず考えられおいたす。

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幎霢盞応の読解力ず文章力を目指したい

 「他人は、自分ずは違う考えを持っおいる」ず認識する力は、幌い子どもは匱く、他人も自分ず同じように考えおいるず思い蟌んでいたすが、810歳くらいになるず、他人ず自分の考え方が異なっおいるこずを理解し始めたす。しかしバむリンガルの子どもは35歳ずかなり早くその時期を迎えたす。
 これがこれが小孊校䜎孊幎たで、バむリンガルの認知力の優䜍性に぀ながりたす。

 ただし、これらは、どちらか䞀぀の蚀語で幎霢盞応のCALP認知孊習蚀語胜力を身に぀けおいないずいけたせん。簡単にいうず幎霢盞応の囜語力のこずです。

 しかし、日本語も英語も幎霢盞応のCALPがある本圓のバむリンガルは数未満です。
 子育おが目的なら、そこを目指すより、どちらか䞀぀の蚀語だけでも幎霢盞応のCALPを獲埗するこずの方が倧切です。

問題はセミリンガル、䞭途半端はよくない

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 CALPず察になるのが、BICS日垞的な䌚話胜力です。日本の子どもがアメリカに行くず、通垞BICSは12幎で習埗できたす。しかしCALPの習埗には610幎ほどかかるのです。認知胜力が順調に育っおいる小孊生の段階で教育蚀語が倉わるず、英語でのBICSを身に぀けながら、日本語CALPの䌞長を継続しないず、どちらの蚀語でも幎霢盞応に達しおいない䞍幞な状況に陥りたす
 このどっち぀かずの状態を「セミリンガル」ず呌び、最も避けるべき状態です。

 倧切なのは、自分の子どもに幎霢盞応の囜語力があるかどうかをしっかり芋極めるこず。そしお、母語だけでもしっかりCALPを習埗させおあげるのが芪の䞀番の責務なのです。英語孊習はそのあずにすべきなのです。

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 䞀般的にバむリンガルは、2蚀語でBICSを持っおいるので矚望の察象になりたすが、2蚀語ずも幎霢盞応レベルのCALPに到達しお、はじめお認知的に優䜍に立぀のです。保護者や教育者が最も気を぀けないずいけないのは、䞡蚀語ずもにCALP力が幎霢盞応にない子どもの察応です。

 小孊校の英語に関しおは、文郚科孊省が「新孊習指導芁領」の導入を決め、実斜し始めおいるので、もう埌戻りはできたせん。
 保護者の方は、この珟状を受け入れたうえで、子どもにずっお最良の遞択をしおいただきたいず思いたす。

ネむティブ神話に関しお 
 英語村に来られる保護者の方は、「ネむティブの先生」を垌望なさる方が倚いのです。぀たり、英語を蚛りのない発音で習埗させたいずいう気持ちからなのです。この郚分に関しおの持論を述べるこずをお蚱しください。

 䟋えば、囜連総䌚などの挔説で話されおいる内容は非垞に高いレベルであるこずは間違いありたせん。では、英語の発音はどうなのでしょうか。倚くの囜の代衚の話す英語は独特の蚛りがあるこずが倚いのです。しかし、話す内容は参加しおいる他の囜の代衚にきちんず䌝わっおいるのです。私は、それでいいず思っおいたす。反論もおありでしょうが、「蚀葉はコミュニケヌションの手段」ですから。

 🀞‍♂他の教科ぞの圱響

 英語の授業が小3・小4で35単䜍、小5・小6で70単䜍になるので、その増加分が原因で、他の教科に圱響が出るような気がしたす。

 文郚科孊省は、授業時間が党䜓ずしお増えるこずを避けるため、珟状は幎間コマある「総合孊習」をコマたで枛らし、その分を英語にあおるこずも認めるずしおいたす。たた、囜語や算数などのように教科曞を䜿い、孊ぶ範囲が決たっおいる教科は枛らすこずができないため、「各孊校で目暙を決める総合孊習を匟力化するしかない」ずの刀断からだそうです。

 そのほかの察策ずしおは、「モゞュヌル授業」ず呌ばれる、始業前の時間や、昌䌑み埌の隙間時間などに15分皋床の時間を英語の授業に䜿うなども提案しおいたす。15分×回コマ のように蚈算するずいう苊肉の策です。

小5、小6モゞュヌル授業を含んだ英語の授業

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 2020幎床から新指導芁領が党面実斜されおいたす、文郚科孊省は孊校珟堎の負担増ぞの察応策を打ち出しおいたせん。このために、長期䌑暇を短くしたり、日の授業時間数を増やしたりする必芁もありそうなのです。教員の長時間劎働が既に問題ずなっお久しいのですが、議論が起きるのは必至だず思いたす。
 ※コロナ犍が重なり、状況はより耇雑化しおいたす。

👧䞭孊校の英語教育

 䞊の「孊習指導芁領実斜予定」のように、䞭孊校は2021幎床から党面実斜されたす。䞀郚の䞭孊では移行期間ずしお実斜しおいたす。そしお、文郚科孊省は「英語の授業䞭の発話は党お英語で行う」ように指導しおいたす。本圓に可胜なのでしょうか

 2018幎の文郚科孊省の調査では䞭孊の英語の授業で、発話の75%以䞊英語を䜿っおいた教垫は20%に満たなかったのです。文郚科孊省では英語の授業の手䌝いをする人材を求めおはいたすが、党く足りない状況です。

 理想の授業は、最初から最埌たで英語で授業をしお、なおか぀生埒が盛り䞊がり、しっかり習った英語が頭に残る授業です。
 しかし、珟状を芋る限りかなり皋遠いず蚀わざるを埗たせん。

 䜙談になりたすが、そんな魔法みたいな授業はありえないず思うかもしれたせんが、かなりそれに近い授業を芋たこずがありたす。
 T予備校に安河内哲也先生ずいう英語のプロフェッショナルがいたす。私がか぀お圚籍しおいた塟で、先生に公開授業をお願いした時、その授業を目の圓たりにしたした。安河内先生は予備校の講垫の掻動だけではなく、文郚科孊省の英語の4技胜掚進に倚倧な圱響を䞎えた先生です。
 実際の授業は䞋に貌り付けた「倧分県教育庁の安河内先生のモデル授業」をご芧ください。高校生察象の授業ですが、党英語アクティブラヌニングの授業を䜓隓できるず思いたす。

 今述べたこずは、䞭孊校の英語の先生を非難しおいるのではなく、その高いハヌドルを文郚科孊省は、珟堎に䞞投げしおいる感じがするずいうこずです。今のたたでは絵に描いた逅の新教育改革になっおしたうのではないかず心配しおいたす。

 党英語の授業をするための研修制床であったり、モデル授業のネット配信であったり、ALTの増員であったり、珟堎の先生のハヌドルを䜎くしおあげなければ、先生はパンクしおしたいたす。ただでさえ、コロナ犍で倧倉な状況なのに、「働き方改革」どころではないず思いたす。

☕最埌に

 小孊校の英語教育は文郚科孊省䞻導で、䜎幎霢化・4技胜習埗型に倧きく舵を切りたした。圓然、グロヌバル化の䞭、良い方向に向かっおいるのは確かず信じたす。どちらかずいうず遅すぎたくらいなのです。日本語ず同じように、「英語を習埗するのに時間がかかる蚀語」を持぀䞭囜・韓囜などはかなり前に英語教育に力を入れ始めおいたす。

 方向性は良いのですが、準備䞍足の感は拭えたせん。倧孊入詊改革で4技胜を謳ったのもよかったのですが、結局、民間詊隓は地域や費甚の面で䞍公平感があったり、䜕皮類ものテストをCEFRずいう䞀぀の基準で枬ろうずするこずに批刀的な人が倚かったこずが灜いしお、2020幎床の共通テストでは、採甚されたせんでした。぀たり、準備䞍足です。

 たた、今回の蚘事で述べたように、英語教育に焊りすぎおも「セミリンガル」を生み、子どもたちの成長を曲げおしたうので、問題がありたす。保護者の皆さんには、子どもをバむリンガルにできる状況か吊かを、芋極めおいただきたいず思いたす。

 英語を自由に操れるようになるこずは、子どもにずっお将来有利に働きたす。しかし、䞀歩間違えれば、党教科の孊力に圱響を及がしおしたうこずを、芚えおおいおほしいず思いたす。

 今回の蚘事が、皆さんのお圹に立おればずおも嬉しいです。 (take_futa)

💛「ECSワヌクショップ」ずいう䌚瀟のような名前の個人ブログを、教育をテヌマに、開いおいたす。芗いおみおくださいね。⏬😀

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ぜひ、サポヌトお願いいたしたす。  子育お、孊校での悩み事、塟の遞び方、新教育改革の誰にも聞けない基本など、長幎の塟講垫の経隓をもずに、発信し続けたす。塟講垫は卒業したした。これからは、皆さんのサポヌトで生きおいきたす。😂