📕2021.04.28　竹風太の料理日記😌トマトの思い出

手術の後の感染症の疑いが拭い切れないので、馴染の整形外科の先生に呼ばれ、行くと、MRIの撮影を勧められた。確かに、もものあたりの痛みが取れないのが気になっていたこともあり、お願いした。

私は、MRIがとても嫌いだ。別に閉所恐怖症ではないが、動かないまま40分もじっとしているのが、耐えられないのだ。そのことを家人に伝えると「ガキみたいなこと言ってんじゃないよ！」と一喝され、MRI上の竹風太になった。しかし、今日はどういう訳か途中で寝てしまったので、苦痛は短時間で終わった。

結局、恐れていた感染症ではないらしいが、念のために抗生剤を処方していただき、5日間ほど飲むことになった。痛みの原因は、水もしくは血液が溜まっているためらしい。しかし、自然に体内に吸収されるだろうという判断で、特別な処置をしなかったとのことだ。

大きな手術が不安で二の足を踏んでいる人がいるなら、あれほどの大手術の割には、「ちょこっと痛いので気になる！」程度なのだ。もう一つ、朗報がある。私は4月の手術で、4月分の高額医療の限度額を超えてしまったので、今月中はMRIを撮影しようが、抗生剤を処方してもらおうが、一切の費用は掛からないのだ。日本の保険制度はすごい。

私の人工骨頭置換手術の費用は、200万円近くかかる手術だ。大体、体内に埋め込んだ金属の値段が10万円以上する。しかし、実際に病院で支払ったのは10万円以下なのだ。ご存知の方には釈迦に説法だが、ちゃんと市役所や保健所で手続きさえすれば、日本では高額医療を受けても、支払うことができるシステムができている。

私が「竹風太の入院日記」を書こうと思ったのは、日本の医療のレベルは高いということと、高額医療の限度額の申請さえすれば、庶民でも手術が受けられることを、知ってほしいと思ったからだ。料理のチェックをしに来た方には申し訳ないが、「竹風太の料理日記」が元の形に戻るまでは、「入院日記」的になるのを、ご勘弁願いたい。

というわけで、今日も家人に夕食を任せた。

🐟焼き鮭

🥓エノキともやしと油揚げの煮物

🐙たこ焼き

🍙味付け海苔

🍅トマトの思い出

学生時代の夏休み、近くの化学工場の器具洗浄のアルバイトがあり、友人と1週間ほど自転車で通った。じりじりと照り付ける太陽の下、道路のそばの農家の庭に真っ赤なトマトがなっていた。実はトマトは春から初夏、秋から初冬が美味しい季節らしいのだが、私の記憶では夏とトマトが一枚の絵になって記憶されているので、夏の出来事としてイメージしてほしい。

「美味しそうだな。」と友達と話しながら、通り過ぎた。
アルバイトの化学工場に着き、ゴム手袋をはめ、強力なアルカリ性の液の入ったプールの中に器具を浸け、汚れが取れると、次の水の入ったプールに入れて、薬品を落とし、乾燥させるという単純作業を夕方までこなし、宿舎に帰っていった。

次の日も、そのトマトの農家の前を通ると、誘うような真っ赤なトマトがそこにあった。友達と二人自転車を降り、じっとトマトを見つめていた。この状況は明らかに怪しい。小汚い服の大学生が物欲しげに庭先のトマトに目を奪われているのだ。もし、農家のおっちゃんが出てこなかったら、私はそのトマトをもいでしまっていたかもしれない。

「兄ちゃんたち、トマトやろか？」「本当ですか！」「喉カラカラで。」
おっちゃんは、手でもいで近くの水道でざぶざぶ洗って、手渡してくれた。私たちは、その場でガブッとかぶりついた。果汁がボタボタたれて、口の周りにへばりついたが、その生ぬるいトマトのなんと美味しかったことか。水を飲むようにジャブジャブ食べてしまった。

水道を借りて、顔を洗うついでに、頭から水をかぶった。おっちゃんに「トマトうまかったです。」と、お礼を言って、自転車でアルバイト先に向かった。

🦉以上

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