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[note34]Padletを効果的に使うには?その③

1、アプリケーションを選ぶ際に考えること


最近の授業で活用頻度が高いPadletの試行錯誤に関する3回目の投稿です。アプリケーションを利用する時に考える必要があるのがユーザー登録、サイインが必要かどうかという点です。勤務校はGoogle workspaceを基盤に生徒は学校アカウントを所持しており、classroomをプラットフォームとして利用します。ただ、意外と多いのが自分のアカウントを使ったアクセスに時間がかかるという点。授業スライドで活用するCanvaなども基本はログインが必要になります。Padletの良い点は、ゲストとしてアカウントがなくても利用できる点。そこで以下の手順で活用しています。(間違っていたらすみません…)

  1. Padletで活用するボードのQRコードを作成

  2. 授業プリントや配布プリントの隅にQRコードを画像添付

  3. 生徒は個人iPadでQRコードを読み込んでボードに入る

パドレットのボードは7種類(無料だと利用できるボードは5つまで)

これだけです。ただし、ゲストとして入るため、Padletの書き込みが匿名になります。すると、少なからず微妙な投稿が混じるケースがあります。英語だと不適切な言葉はスタンプのようなもので隠される仕様になってようですが、日本語版ではそうしたブロックができないので指導が必要になります。個人的にはネット空間であっても公共空間であり、求められる行動や態度があることを学ぶ機会にもなるとは捉えています。匿名性の課題はありますが、それを逆手にとって考えることも必要ではないかと思っています。

直接関係はありませんが、トライアルで使ってみて、有効だと思ったら、一先ず有料登録するのが自分のパターンです。結果的に合わなければやめれば良いので。Padletについてはフリーの5枚ではやはり限界があります。

2、実際のPadlet活用実践(依然、開発検討中)

活用①「中学生の探求学習:探究の過程を残す+進捗のコントロール」
探求学習では5チームでプロジェクトの取り組みます。昨年まではホワイトボード+付箋のパターンでしたが、今年はデジタル化してみました。付箋のような機動性はありませんが、付箋が紛失することもないし、横にスライドしてプロジェクトのテーマを追加しながら記録を残すことができます。段階ごとにテーマを設定して、グループで考えていくことにしています。
なお、投稿する前には紙ベースで考えて、まとめてから投稿するようにしています。アナログ+デジタルの融合パターン。一応、進捗のコントロールと書いていますが、ヒントだけ与えて生徒が自分たちでプロジェクトに関する課題や壁をテーマとして設定してくれるのが理想です。

中学の探求学習で活用したボード(シェルフ):最初はアイディアの種を1人3つ書き出し、その後、チームで3つに絞り、最終的なプロジェクトを1つに決める流れです。

活用②「高校3年生:受験科目としての政治経済]
レギュラー授業では講座設定ができなかったので1コマ90分の放課後講習で大学共通テスト対策を行います。その際の悩みがアウトプットの時間がないこと…。インプット3:アウトプット7が理想という指摘もありますが、時間が足りない。そこで以下のような形をとってみました。

「財政と財政政策」に関するボード(シェリフ)

あらかじめ、テーマとなりそうな項目について「問い」を立てて、生徒には予備知識なしで解答してもらいます。その際の工夫。
①友達に説明するなら、どう説明するというシチュエーション設定
②自分の説明に対して、どの程度自信があるかの自己評価

Padletでは評価を色々な形で示すことができますが、ここでは☆1~5で自己評価してもらいます。その上で授業を受けることで「自分はどこに自信がないのか」「どこがあいまいなのか」という焦点を頭に入れることができる。これは篠ケ谷圭太氏の「予習の科学(図書文化)」を参考にしています。
本来、生徒自身が「問い」を作ることが理想ですが、そこには一定の時間とトレーニングが必要であること、受験生を対象としているという点から時間的制約をカットするために、教員が問いを設定しています。この本は、もう少し深く読み込んでいきたいところです。

予習の科学/篠ケ谷圭太(図書文化)第2章~第3章を主に参照

活用③「高校1年生:公共空間における意見の発散・評価・集約」
新課程の「公共」では、以前のnoteでも書いた通り、クラスという空間で、どのような意見があるのかという共有を極力取り入れたいと考えています。それが実社会の姿だと考えるからです。そのため、授業テキストに示した問いについて、自分の意見を賛否やフリーコメントなどの形で投稿してもらいます。そして、自分の考えや意見との一致・不一致を問わず、「なるほど」「納得」「そういう考えもあるんだ」など何かを感じたコメントには、Twitter形式で良いね(♡)を押してもらいます。生徒は自分のiPadで全ての意見を見れますが、その中で♡の多かったもの、逆に♡はないけれど鋭い意見などを取り上げて授業をなるべく参加型にしています。

これは功利主義をテーマにしたものです。残りの3つはこれから意見共有するものなのでブランク

3、まとめ

現状としてはPadletはかなり活用範囲の広いアプリケーションであると感じています。デバイスを選ぶことはないし、直感的に活用できて、生徒のアクセスも早く、授業を止めることがありません。ただし、先にも書いた通り、生徒はTwitter感覚で利用するため(それが良い点でもありますが)、意見を表明することの意味を伝えていく必要があります。今回は3回目ですが、今後もPadletを含め、有効なアプリケーションやトライアルがあったら、noteでまとめてみたいと思いますので、色々なトライをしている方々がいらしたら情報共有できると嬉しいです。

このように色々な取り組みを自らの振り返りとして書いたものの、「まだまだ」どころではありません。工夫の余地が山ほどあるだろうし、自分自身がそれに気づいていない面も多々あると思います。引き続き、学びですね!






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