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御社のnoteがもっと読まれるためのいくつかのヒント

ライバルは「他社のnote」ではない

まず、前提として考えておきたいのが、御社のnoteの「ライバル」は誰かということです。

企業のnoteのライバルは、他の企業のnoteやブログでしょうか? 他のオウンドメディアでしょうか? そうではありません。

企業のnoteのライバルは、Netflixであり、マンガであり、YouTubeやTikTokです。世界中のクリエイターがしのぎを削って作っているあらゆるエンターテイメントです。

……と、ここまで言うとさすがに「そりゃ厳しいよ」と言われそうですが、それでも、スマホやブラウザ上ではその他のコンテンツと同列に扱われるんだ、という意識は持っておいたほうがいいんじゃないかなと思います。

画面の向こう側にいる人は「御社のnoteを読もう」と思って来ているわけではありません。忙しく仕事や家事をしていたり育児をしていたり、「なにかおもしろいものはないかなー」と探し回っているような人たちです。

そういう人たちの時間をいただいて、わざわざ読んでもらわないといけない。であれば、何かしらの「おもてなし」というか、多少の「エンターテインメント性」がなければ、いつまでも読んではもらえないんじゃないかなと思うんです。

「何を発信するか?」に悩む前に自己紹介を

企業のnote担当者から「何を発信すればいいのか?」と相談されることがけっこうあります。

新しい取り組みについて書いても読んでくれない。事業内容を発信しても読んでくれない。ビジョンの話をしても社内の人すら読んでくれない……。

そういうときに重要なのが「誰が書いているか」「あなたは誰なのか」を明確にすることです。

あたりまえの話かもしれません。

語り手が誰かすらわからないのに「私のビジョンはですね……」とか「私、こんなことしてましてね……」と目の前で語り始められたら、ただの不審者です。

人は「この人はこういう人だ」という認識があるから、話を聞きます。「このnoteを書いている〇〇さんという人は、こういう人なんだ」ということがわかっていたら、何を話してもある程度は聞いてくれる。

これは顧問編集者としてつかせてもらっているときもよく言っていることなのですが、「何を発信するか」よりも前に「誰が発信しているのか」の部分を、まず最初の1か月なり2ヶ月なりで強化しなければいけないんです。

「結果的に」自己紹介になるようなコンテンツを

ようするに、なによりも前に「自己紹介」をしましょうということ。

なのですが、この「自己紹介」というのも「私は〇〇と申しまして、こんなことをしています」という普通の自己紹介をしても、実はあまり読んでもらえません。社員や関係者であれば、それでも読んでもらえるかもしれませんが、もっと多くの人に読んでもらうためには、そこにはちょっとした工夫がいるわけです。

言ってみれば「結果的に」自己紹介になればいいんです。

そこでまずは、なにかしら「エンターテイメント性」のあるもの、もしくは「役立つ情報」を発信しつつ、結果的に「自己紹介」をしてしまう。そして気づけば自己紹介になっているという戦略を僕らはオススメしています。

「ノウハウ」か「ストーリー」を書こう

さて、では自己紹介につながるようなコンテンツを作りましょう、ということなのですが、どうすればいいのか?

入り口は二つあります。

いつも言ってることではありますが、ひとつは「ノウハウ」。もうひとつが「ストーリー」です。

ノウハウというのは、役に立つ情報のこと。どうにかして読者との接点を作らないといけないので「役立つ」という角度から切り込んでいくのは効果的な手段です。

考えてみれば、仮にぜんぜん知らない人であっても、何か自分に役立つことを教えてくれる人のコンテンツは読みますし、それはだんだんと信用に変わっていきます。「役立つ」から入ることで何かしらの接点を持たせることができます。

なので、たとえば御社にしかないノウハウをまとめてみる。営業のノウハウだったり、ブランディングのノウハウだったり、社内コミュニケーションや組織論、リーダー論など、そういったものをまとめていくと、多くの人に読んでもらえたりします。

「読んでもらおう」と力むのではなく「どうやったら画面の向こうの人が喜んでくれるかな?」「多くの人の役に立てるかな?」というスタンスでいれば、結果的に「いいコンテンツ」になっているはずです。

会社の誕生秘話、事業・商品の誕生秘話

もうひとつがストーリーです。

「小説家でもないのにストーリーなんて書けないよ」と思われるかもしれませんが、どんな会社であってもストーリーになりうる事実は持っているはずです。

ストーリーを描きやすいテーマをご提案します。それは「会社の誕生秘話」です。御社がどうやって生まれたのか? 創業時にどういうことがあったのか? それを書いていくだけでも面白いストーリーになります。

もしくは事業の誕生秘話、商品の誕生秘話でもいいでしょう。どういうきっかけでその事業が生まれたのか? 商品が生まれたのか? それをまとめていくだけで、ストーリーになるはずです。

会社でも商品でも、なにかが誕生するときには何かしらのドラマがあるはずです。昔、NHKで「プロジェクトX」という番組がありましたが、あのようなストーリーを描けると、多くの人に読んでもらえると思います。

「うまくいった話」だけ書いてはいけない

で、もう一個重要なポイントなんですが、みなさん企業として発信しようとすると、なぜか「うまくいっている部分」「うまくいった部分」しか発信しない傾向があります。

「この事業はこれくらいの売上になりました」「この商品はこれくらい売れました」という話だけ書いてしまうと、ただの自慢になってしまって、下手をすると逆ブランディングになる可能性もあります。

ここで重要なのは、失敗の部分もきちんと書くということです。ようするに「失敗からのV字回復」を描く。「昔はこんなにうまくいっていませんでした。が、こうやったらうまくいきました」「ほんとうに潰れかけで大変でした。が、今ではここまで成長しました」という復活劇は共感を生み、人の心をつかむはずです。

「会社」ではなく、「人」を前に出す

いろいろ思い出してきたので、あと2つポイントをお伝えします。

noteでの発信をするときは「人を前に出す」ということも重要です。会社を主語にするのではなく、人を前に出すことです。

いちばんいいのは経営者が前に出ることだと思っていますが、それが難しかったとしても、noteの担当者が前に出る。広報の方が前に出る。名前を出して、できれば顔も出して(イラストでもいいです)、会社の人格ではなく、その人の人格として発信するのがポイントです。

やっぱり人は「人」に反応します。SNSでは特にそう。

会社だからといって、個人をぼやかさずに、なるべく人が見えるように発信するのが大切なのかなと思っています。

「連続ドラマ」ではなく「一話完結ドラマ」を

あとは、毎回のnoteを読者との「初対面」だと思ったほうがいい、というのもあります。

「もう自己紹介はすんだから、みんなうちのことを知ってるだろう」という前提で発信し続けると、どんどん読者は尻すぼみに減ってしまいます。なので、毎回毎回のnoteを「初対面」だと思って書くことが重要です。

つまり「連続ドラマ」ではなく「一話完結のドラマ」だと思うこと。

「第3回のnoteを読むためには、第1回のnoteから読みなおさないとわからない」というようなコンテンツだと読んでもらえない。さすがにそこまでの時間は読み手になかなかないからです。

だから連載のような形はオススメしてないですし、前編後編で分けるのもよくない。その回から読んでも面白い、一話完結のドラマのような意識でまとめていくことが重要です。

「情報発信」ではなく「対話」をせよ

ノウハウもストーリーも「御社が書きたいこと」ではないかもしれません。でもだからといって、自分たちの書きたいことだけ書き続けても、なかなか読んではもらえない。

大切なのは「読み手が知りたいこと」「読み手が喜ぶこと」を提供してあげることだと思っています。企業が発信したいことを書く前に、読み手が聞きたいことを書いてあげる。

つねに、ブラウザの向こう側にいる人が何を発信すれば喜ぶのかな? 何を言ってあげると反応してくれるのかな? ということを考えて発信する。まず聞く耳を持ってもらわないと、言いたいことも伝わりません。

一方的に「発信」していても、それはずっと独り言を言ってる人と変わりません。相手が何を思っているのか? 相手の興味関心や感情から逆算して、コンテンツを発信する。コミュニケーションをする。

ようするに、やるべきは「情報発信」ではなく「対話」。読者と対話する。ブラウザの向こう側の人と対話する。その意識が重要なのかもしれません。

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