人間が持ちやすい7つの感情(799)
人間は、得てして自分の感情に流されやすくなります。ただ、自分の感情に流されるばかりでは、人間関係にヒビが入ることになります。大切なことは、どのような感情が発生するのかを理解し、それらの感情に対してどのように対処していくかを考えていくことです。
今回は、私たちが持ちやすい人間の感情をまとめてみたいと思います。
一般的には、1.喜、2.怒、3.哀、4.楽、5.愛、6.憎の六つが代表的なものです。これは、もともと儒教や仏教で言われてきている感情の現れを要約したものと考えられます。
儒教) 喜、怒、哀、懼、愛、悪、欲。 [注]懼(おそれ) 悪(にくしみ)
仏教) 喜、怒、哀、楽、愛、悪、欲。
「憎」は「悪」になったと考えるといいでしょう。また、儒教では「楽」が「懼」になっている(「懼」とせずに「楽」のままとする説もある)と言うように、一般的なものとは少し違いますが、儒教も仏教も新たに「欲」が追加されています。情がさらに激しく動いた状態が「欲」と言ってもよいでしょう。
さてここで、何が原因で七つの感情が起こるかについても考えてみる必要があります。
そもそも人間には本来持っている性質(これを本性と呼ぶ)があり、その性質によって感情が起こっています。そして性質が働く時にこだわるのが、次の六つです。
1 食べること、異性への関心、栄誉への関心などに対する貪(とん、むさぼり)の心
2 憎しみなどから出てくる瞋(しん、怒り)の心
3 恨みや妬みなどから出てくる痴(ち、無知や愚かさ)の心
4 誤った知識などからくる疑(義、うたがい)の心
5 自分に対する慢(まん、うぬぼれ)の心
6 物事を悪く見るという悪見(あくけん)の心
なお、上記の原因によって感情が起きる時に、突発的・瞬間的に発生して短期的に収まってしまうものと、強烈な感情として持続するものと、長い期間にわたって持続するものとがあります。これらの要因が複雑に絡み合って感情が発生するというわけです。
したがって、これらの原因となるものを減らしていくことが重要になります。しかし、これではあまりに単純な言い方になります。本来ならば、マイナスの感情をいかにして具体的に排除していくかと言うことも述べておくべきですが、今回は一点だけ記すことにします。
その排除の対応方法とは、「こだわらない、引きずらない」と言うことです。
しかし、言葉では簡単ですが、なかなかこだわらないようにするのは難しいものとされています。そのことについては、機会があれば別の回に述べることにしましょう。
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