自分を冷静に見据えるもう一人の自分 (835)
人間はつい、感情の赴(おもむ)くままに流されることがあります。そのような自分を変えていきたいと多くの人が思っています。そのために坐禅をする人がいます。坐禅の「坐」には土の上に二人の人がいるのです。一人は感情の赴(おもむ)くままに流される自分であり、もう一人は感情に流される自分を冷静に見据えるもう一人です。坐禅するということは、もう一人の自分に気づくことなのです。
アップル社の元CEOだったスティーブ・ジョブズは、禅を学び坐禅をしていたことで有名です。彼は、次のように言っています。
「他人の意見が雑音のようにあなたの内面の声をかき消したりすることのないようにしなさい。そして最も重要なのは、自分の心と直感を感じる勇気を持ちなさい。それはどういうわけかあなたが本当になりたいものをすでによく知っているのだから。それ以外のことは、全部二の次の意味しかない。」
「本当になりたいものをすでによく知っている」のが、感情に流される自分を冷静に見据えるもう一人なのです。そのような自分の中にいるもう一人のことを、「真人」(真実の自己すなわち真実の人間性)と呼びます。全てを超越した真実の人であり、「仏」なのです。
坐禅をすると、一時的な感情に流される自分を見据えているもう一人の自分(真人)に気づくことができるのです。
スティーブ・ジョブズは、マーケティング・リサーチをしなかったと言います。坐禅を通して真人の立場から、「自分は何を望んでいるのか」を探っていたのでしょう。ジョブズは、「今日が人生最後の日だったとしたら、今日の予定をやりたいと思うだろうか」と問いかけていました。もしも「ノー」ならば、何かを変えなければならないと常々思っていました。それが、ジョブズのマーケティング・リサーチなのでしょう。
自分の中にいる「真人」は、生まれた時から既にいるのです。私たちは、早く自分の中の真人に気づくべきなのです。
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