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無意識という意識(785)

もともと意識というのは、対外的に想いが現れる意識と、相手には見えない潜在的にはたらく意識があります。前者は、五官を通して入力された情報などをもとに、分別・認識するはたらきを持っています。五官に続く意識ということから、六番目の意識(六識)と呼びます。それに対して後者は、意図的にはコントロールしづらい無意識または潜在意識という意識になります。要するに七番目以降の意識と位置付けられます。

七番目の意識を、末那識(まなしき)と言います。外部の情報をもとに、はたらくものです。はたらく際に拠り所とするものは、生後取得した知識などによって作られた価値観とか判断基準というものです。生後取得したものは、正しい知識や情報・体験によるものと、誤った、あるいは不完全な知識や情報・体験によるものとがあります。

正しい知識や情報・体験によるものを拠りどころにすれば、間違った言動にはならないでしょう。しかし、不完全な知識や情報・体験によるものを拠りどころにすれば、間違った言動に結びつくことになります。後者は、自我とか我欲とか執着心いうものが代表例になります。

最深部に位置するのが八番目の意識、阿頼耶識(あらやしき)です。この阿頼耶識は、生来的なものだと考えられています。いわば、善なる心と言えます。たとえば、赤ちゃんを見ると「かわいい」「いとおしい」などと感じる心です。いわば、恥じらいの心や、悪しきことを憎み、是非を見極めるものなどです。有るようでいて無く、無いようでいて有る潜在意識と言えます。根本識、根源的な心と言っていいでしょう。

末那識と阿頼耶識は、目に見えない所ではたらきます。したがって、できることなら他者から見て良くない自我・我欲・執着はなくしていくことが望ましいでしょう。

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