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真理をどう表現するか: 一円相 #禅の言葉

禅の世界では、悟りや仏性や真理や宇宙全体などを「○」のように、一つの円の形(一円相)で表現する。しかし、「人の空に描くが如き、筆を下せば即ち錯(あやま)る」(真理を描こうとしても、描くことなぞできない)とも言われている。ただただ円相を見て、それが何を意図するものかを追求するしかない。

禅の問答では、師は言葉で返答するのではなく、言動で答えることがある。

例えば、地面に文字を書くのも、その一つである。

十字  十の字は十分(完全)を表わす。 右回りに一周する円は十分の意。
卍字  卍(萬)の字は万徳円満を表す。十字の端にヒゲを付けることで、十分であり、万徳であるとする。卍と反対の向きを示すものに、逆卍字(世の中に背いた生活、迷いの生活の意)がある。

時と場合により、
師は「武緯(ぶい)文経(ぶんけい) 」(殺人刀の横糸という差別的対応と、活人剣の経糸という平等的対応)によって悟りへの方向性を指し示す。
また師は、「放開(ほうかい)捏聚(ねつしゅう)、独立周行」(解き放ち、こねたり集めたりして、独立独歩の自在な対応)をすることもある。まさに、そのすばらしい機(はたらき)は、青天に電を激す(青空に電光を飛ばす)かのようだ。

そのような対応を見聞きした修行者は、師はなぜそのような言動をするのかと悩み、そして悟るということを繰り返すしかない。このことを、「道環(どうかん)の虚(きょ)盈(みつ)ること靡(な)し」(仏道修行の流れは悩みから悟りを繰り返すため空虚があるので、満たされることは無い)と言う。

[参考] 円を用いた諺
「水は方円の器に従う」 容器が方(四角)、円のように形を変えても、水はその形に従っていることを表す。転じて、人も環境や付き合う人物しだいで良くも悪くもなるということ。

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