主観思考のすすめ(795)
今ではAI(人工知能)がもてはやされていますが、AIの長所・欠点を把握しておかないと機械(コンピューター)に振り回されることになってしまいます。特に、AIの欠点を理解しておくべきです。
・何を求めようとするかは、ある人の偏見かもしれない変数で決まる。
(片寄っているかもしれない抽出変数の可能性がある)
・AかBかのどちらかに解を求めてしまう。中庸の結果が出せない。
(デジタルの世界では、1か0の判断しかできない)
・何を学習しているかが人間が理解していない。ブラックボックスである。
(機械学習というAIの機能は、実は統計・確率論的データを求めるだけである)
・確率論的な結果を出すということは、推論で結果を出しているということ。
(たとえば、SNSのデータで「このタイプならばこうなる」という推論をする)
では、AIを使わない方がいいのでしょうか。実はそうではありません。たとえば、省力化をしたいモノトーンの作業などはAIロボットに任せればいいのです。そうではない、いくつかの変数からなる作業の場合は、参考データを入手するのはAIを利用して、最終的に判断するのを人間がやるというように、ハイブリッドなアプローチをとればいいのです。
ここで、最終的な判断をする人間は、いったいどのような思考過程を踏んでいけばいいのでしょうか。
それは、根源的・本質的な思考をすることです。
まず、根源的な思考とは、いわば倫理に関連するような場合に適用する思考です。別な言葉で言えば、人間が生来的に持っている善悪を判断できる本性による思考(判断)です。たとえば、物の窃盗をした場合、その罪を犯した人が過去の経緯やその時の心理状態などを勘案して、本性によって窃盗の罪に対する処罰方法を判断していくというわけです。
もう一つの本質的思考とは、目の前の現実をもとに抽象化して、そのものごとの本質を見抜くと言う思考法です。そのアプローチには、さまざまな事実や事例から導き出される傾向をもとに推論していく帰納法と、一般的で普遍的な事実をもとに結論を導きだす演繹法があります。これらの方式では、単純な偏った推論よりは確率が高くなっていきます。しかし本質的思考においては、その入力となる各種の事実や事例および普遍的事実に偏見が入り込む場合があることに注意が必要です。
いずれにしても、ものごとに対峙する時には、身勝手な前提を置いてはならないということに注意しなければなりません。
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