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六感から得たもので何を感じるのだろうか(819)

人間には、六つの感覚器官があります。色やものを見る眼、声や音を聞く耳、香りを匂う鼻、味わう舌、触る身(手足の皮膚)、対象を自覚する意です。
これらは、もともと人間が個々に有するものであり、感覚の原動力の元という意味で「六根」と言います。これらは、外界の環境や対象物を認識するという働きを有しますから、「六識」とも呼びます。

 [参考] 「知る」は、単に「見た」「触れた」だけのもの。
   「知る」は、すぐに消えてしまう可能性がある。
   「識る」は、記憶され、その後に再利用されるもの。

さて、六根は何を得て何を感じるのでしょうか。

まずは、眼・耳・鼻・舌・身の五根と意根の働きは大きく違うことに注意しなければなりません。眼・耳・鼻・舌・身は、身体の前面・表面に有るもので、外界の対象物と直に接しています。それらは、匂いたくないと思っていても知らないうちに匂っているというように、無分別に働きます。「何かがある」と言うように、感じるわけです。

一方の意根は、身体の内側(すなわち脳)に有るもので、前面の五根と共に同時に働くものです。前面の五根が「何かがある」と感じたら、意根が「○○だ」と認識するわけです。意根が特別なのは、前面の五根が得たものが何かを認識するという流れだけではなく、逆に五根に働きかけることも行う(例えば、そこに有るものを見よと指示する)ということです。

さらには、もう一つ重要な働きがあります。それは、前面の五根とは独立に働くということです。すなわち、過去・未来・現在のことを考えるということです。過去に何が起こったかを思い出し、別の事柄に関係していると認識したり、再構成したりするということです。

まとめると、意根は前面の五根のように無分別に働くだけでなく、それ自体で独立して分別する(考える)ことができるのです。無分別に感じて単純に認識するだけでなく、感じたことや過去にあったことなどを元に、ああだこうだと分別するのが、意根なのです。

六番目の意根は、私たちの心の中心的なものですから、心の主たるものという意味の「心王(しんのう)」とも呼んでいます。意根=意識=第六識なのです。


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