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自#008|形而上学と云うのは、常に死がすぐ傍に、待ち構えている(自由note)

 7年ぶりに、倫理の教師から、世界史の教師にcome backしたので、ウォーミングアップのつもりで、山川出版の世界史Bの教科書を、毎日、読んでいます。黙読していると集中が切れます。ですから、声を出して、音読で読んでいます。が、眠くなります。音読しながら、sleepするとか、理論的にあり得ねぇーだろうと、安直に考えているんですが、ふと意識が飛んでいる瞬間があります。

「お父さん、音読が時々、途切れるのは何故?」と、長女に言われてしまいました。ガチで、音読中に寝てしまっているんです。
「オレは、音読しながらでも、眠れるんだぜ」とかって、何の自慢にもなりません。
「とにかく教科書を読め。最低でも5回だ」とかと、託宣を垂れている全国津々浦々の世界史の先生方、「あなたは、本当に5回読んだんですか?」と、突っ込みたくなります。

 法然和尚に、「念仏していて、眠くなったら、どうすればいいんですか?」と、質問すると、「起きている時だけ、念仏していればいい」と、法然和尚は答えたそうです。

 世界史Bは、受験友達とペアになって、学習するのが、一番、効率的です。教科書を見ながら(用語集でもいいです)、お互いに問題を出し合います。クイズ形式ですから、速いです。ヨーロッパ中世とか、40分もやれば、終わります。「流れはどうするんですか?」とかって、どうでもいい質問はしないで下さい。世界史と云うのは、用語さえ覚えてしまえば、流れは後からついて来ます。用語を覚えない限り、流れはいつまでたっても解りません。卵が先かニワトリが先かと云う問題ではありません。常に用語が先です。ただ、用語の意味は、ちら見して下さい。そういう意味では、用語集の方が、使い易いかもしれません。ブックオフでは用語集を買わないで下さい。200円or100円ですが、古いやつは、細かい用語がいっぱい掲載されています。必ず本屋で新版を購入して下さい。

 受験友達は、やっぱり必要です。元彼を奪った女だけが、世界史受験選択だったら、まあ、その憎い女と受験友達になって下さい。ずっと、付き合うわけではありません。受験が終わったら、もうそのクソ女とは、一生、口を聞かなくても構いません。

 受験生だった頃、私は、普通に走っていました。いや、高校時代を通して、ジョギングはしていました。演劇部に所属していましたが、当時の演劇部は、体育系部活と同じくらい体力を必要としていました(これは、本質、今も同じ筈です)。発声練習の前は、校舎の周囲を5、6周走っていました。新入生歓迎ハイキングは、ほぼ7、8時間、歩きっぱなしでした。これが、カルチャーショックで、入部を辞退した新入生は、毎年、何人かいました。

 今、私は6、7年ぶりに走っています。玉川上水沿いです。新緑のみどりが、とてもきれいです。高校時代に走っている時は、形而上学を考えていました。ゴーギャンの絵のタイトル風に言うと、「我々はどこから来たのか、我々は何か、我々はどこに行くのか」まあ、そんな風な答えのない命題です。どっか暗い部屋の中で、動かないで形而上学を考えていると、煮詰まります。煮詰まらないためには、鍋を時々、動かさなければいけません。ジョギングをしながら考えると、堂々巡りはしますが、煮詰まりません。形而上学と云うのは、常に死がすぐ傍に、待ち構えているんです。煮詰まると危険です。人間は、身体を動かしている限り、本気で死にたいとは考えない生物なんです。ジョギング中に、トラックに飛び込んで、人身事故を起こしたなんてニュースは、みなさんだって、聞いたことない筈です。

 教え子たちは「もうかなりの年寄りなんだから、守りに入って、自分をちゃんと、労(いたわ)っとけよ」とかと心配してくれているのかもしれません。私の教え子は、一番上が、50歳くらいです。教え子に先に死なれると困ります。「オレより先には、絶対に死ぬな」と、常日頃から言っています。私は、65歳ですから、コロナウィルスに感染したら、危ない年齢です。ゴッホの手紙のセリフを引用します。

「海は危険であり、海は恐ろしい。それは漁夫がよく知っている。だが、危険は海に出ない理由にはならない。危険と危険に対する恐怖の念と、一体、どちらが始末に悪いか。ボクとしては、危険自体の方がいい」。

 危険を怖れて守りに入ると、免疫力が下がります。免疫力が下がると、コロナウィルスじゃなくても、そこらのインフルエンザウィルスでも、簡単に死にます。

 今日は音楽を流しながら、このノートを書いています。流れているのは、コルトレーン。1曲目は、「Stardust」。うわぁ、シャボン玉ホリディのエンディングだって、もっとアップテンポだったぜと、思ってしまいました。コルトレーレンをはじめとするモダンジャズのCDを、ステレオガールのR子が、高2の時、部活に持ち込みました。「モダンジャズなんて、高校生はぜってえ、誰も聞かねえ」と、思いましたが、CDを2枚ずつ焼いて、自分用にワンセット、keepしてありました。3月31日に、机の引き出しの奥に、モダンジャズのCDが20枚あって、「そう言えば、R子が持ち込んだ時、ダビングしたな」と、思い出しました。で、自宅に持ち帰りました。

 コルトレーンを流すと、70'sの吉祥寺って雰囲気になります。私が一番よく通ったのは、Out Backです。が、ここは、フュージョンの店でした。ジョーサンプルとかジョージベンソンなどを聞きました。コルトレーンだと、やっぱりFunky。あと西洋乞食、赤い烏、Sometimeとか。

 高3の時、郷里の木馬と云うジャズ喫茶に通っていました。70'sの吉祥寺は、モダンジャズ一色だったんですが、木馬はもっと幅広く、ビッグバンドなども流れていました。あと、歌モノも。高校時代に好きだったジャズシンガーは、ビリーホリディじゃなくて、ルイアームストロング。どっからあんな声が出るんだろうと不思議でした。一番、好きな曲は「マックザナイフ」。この曲だけは、ルイアームストロングじゃないと、聞けません。

 木馬では、受験勉強をしていました。高3ですから、当然です。今の高校生は、ジョナサン、マクドナルド、スタバとかで勉強しているんだろうと思います。が、まあ今は、スマホで、音楽は何でも聞けます。アップル系の配信ですと、音もいいです。好みにもよると思いますが、90'sの西海岸のヒップホップ(クーリオとか)あたりが、一番、勉強し易いんじゃないかと想像しています。邦楽を聞きながら、勉強するのは避けて下さい。日本語を聞いてしまうと、集中力が間違いなく落ちます。インスト仕様にしてあるものなら、OKです。

 お昼休み(自宅でもお昼休みを設定しています)にゴッホの画集を見ました。アルルでの1888年の集中力に圧倒されます。アルルに到着して、まず例の桃が花をいっぱいつけている果樹園の絵を描きます。で、12月の精神に異常を来す日までの10ヶ月弱が、ゴッホの人生の大サビです。ゴッホは35歳。35歳が、人生で、一番いい仕事ができる年齢だろうと思います。私もまあ、だいたい、そうだったと自覚しています。

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