社長が絶対に社員に言ってはいけない一言(その3)

このシリーズ、たくさんあるなあと思っていましたが、よくよく考えると同じような一言が多く、派生的なものですね。なので、今日書く一言も昨日と同じようなものです。

「オレが決めたんだから・・・」

つまり、社長である自分が決めたのだから、それでいいじゃないか、文句言うな、ってことです。昨日のヤツとさして変わりません。

絶対的な権力者として振る舞いたいという気持ちは同じですね。これはダメなんですよ、しつこいようですが。

こういう社長の対極にあるのが、本田宗一郎氏だったのではないかと思います。「得手に帆あげて」から引用します。

「現在、社長という『えらい地位?』にある私に対して、新しい社員の中にはときたま、コチコチになり、『三尺去って師の影をふまず』式の対応をする人もいる。
 これは私にとって迷惑千万な話である。社長というのは、単なる会社の機構の中の一職名にすぎない。人間の評価のランキングではないのだ。だから私のこの考えを何よりも徹底させることにしている。」

得手に帆あげて

「仕事中でも私はそんなに分けへだてをしているつもりはない。部下がよいプランを提出し、よい意見を述べやすい状態を作るために、私はザックバランな態度で接することにしている。」

得手に帆あげて

「しかし、ただ一つ、私がどこの大企業に対しても誇れるのは、私の会社では社員のすべてが平等で、働き甲斐のある会社にしたことと、全員がお互いの知恵を一生懸命出しあっていることである。」

得手に帆あげて

本田宗一郎さんは卓抜した経営者であったことは言うまでもありませんが、たったこれだけの文章を見てもそれがよくわかります。

こうやって比較すると、オレの言うことを聞け、誰に向かって口を聞いているんだとか、どれだけ低レベルかわかるかと思います。しかし本人は低レベルだとは思っていないわけです。オレが社長なんだ、オレは偉いんだ!と思っているわけです。

こういう社長がいる会社はある程度までは成長できても、大きく成長することはない、という印象ですね。これは社会心理学というか、グループダイナミックスの視点からもある程度立証されています。そういう話はまたいずれ。

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