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取材対象の企業はどう決まる?

Z Venture Capitaの高橋翔吾です。

きょうのテーマは「取材対象の企業はどう決まる?」です。
一概に言いづらいようで、実は共通点もあります。少しでもスタートアップの企業の方々の参考になれば幸いです。

また、シリーズに分けて書こうと思いますのでどうぞよろしくお願いします。

記者/メディアの心理

まず簡単に触れます。

プレスリリースを出してけど、取り上げてもらえない。そうした悩みを持つ広報の方も少なくないと思います。プレスリリースを出して、記者会見を行ったのに、会場にほとんど人がいない。これもありうる話です。

まず記者も組織である以上、1記者の判断だけで取材し、記事にするのは難しいです。(それができる人は組織でもごく限られた人です)
記者クラブにいる記者であれば、ほぼ全員が、記事化するにあたり上司と相談して、許可を得て取材を始めます。

大切なことを言います。
取材してもらうためには、主に2つの壁を越える必要があります。

  1. 内容が「これ面白そう。企業に一度話を聞いてみるか」と記者が思えるか

  2. 記者が上司からの「それってニュースなの?取り上げる意味があるの?」を越えられるか

2については記者の力量の部分もあります。特に新人や若手の記者であれば自分の考えをうまく伝えることができず、いくら魅力的な企業でも取り上げてもらえない可能性もあります。そこは企業側の努力でどうにもならない部分もあります。
また一度取りあげられた内容が、まったく同じ内容で取り上げてもらえることは、年に1回が限度です。「毎年恒例のもの」でない限り、再び同じ内容で取り上げてもらえることはないーーと考えましょう。(理由はシンプルに『ニュースじゃないから』です)

取材するモチベーション

では壁を越えるには、どうすればいいのか。これはざっと3つに分けることができます。

●有名型

➡これは言わずもがな、有名企業のニュースです。例えば、トヨタが「あす会見を開きます。内容は会見まで非公表です」と内容を全く明かさずプレスリリースを出しても、会場には多くの報道陣が訪れ、おそらく会見の内容もニュースになるでしょう。
この時、内容は正直あまり問われません。「トヨタ」そのものが取材対象となっているからです。

●話題型

➡ここからが本題です。話題型。「いま流行りの・・・」と時勢にのったものです。
食べ物がイメージしやすいですが、少し前でいうと「タピオカ」や「マリトッツォ」など。都度流行が変わるファッションもそうですね。
これを企業でみると、何が言えるのか。例えば、「新型コロナ」や「円安」「キャッシュレス化」「リモートワーク」などなど。もしかすると、眠っているテーマが案外あるものです。例を挙げます。

● 防災訓練×VR×新型コロナ

防災訓練をVRで行うというもの。確かにVRのバリュエーションは増え、いろんな防災訓練ができるようになりました。でもそれだけだと正直弱いです。なぜかというと「VRの最新技術を伝える」だけのニュースになってしまうからです。

ここに「新型コロナウイルスの影響で、密になる防災訓練が実施しづらい状況となるなか、VRの防災訓練に注目が集まっている(VRの防災訓練の件数が増えている)」の一言を足すと急に関心が高まります。これは「新型コロナ」という共通の話題に対して、時事(時勢)を表わしているためです。こうなれば、取材して取り上げられるケースも増えます。
プレスリリースを出す際、新型コロナの前後で件数がどう変わったのか、具体的な数字の推移があればよりよいです。

●問題提起型

➡プレスリリースを見た記者が「これはニュースだ」と思うパターンです。この時も記者にささるテーマは、複数ある方が良いです。これも例をあげます。

● がん治療×新技術×意外性

簡単に言うと「線虫に尿1滴垂らすとすい臓がんかどうか判明する」というものです。
「え?」と思いますよね。ガンかどうかわからず、気づいた時には進行が進んでいた…という話もよく聞くなか、尿1滴で、しかも得体のしれない線虫が?と疑問もわくと思います。

もう少し記者視点で解説します。
● すい臓がんは早期発見が非常に難しい
● 検査に正確性がある
● 通常の検査より安く、簡易に
● 線虫の可能性
こうしたポイントをもとに「多くの人に伝えるべきニュースだ」と考えます。線虫がガンのにおい好む、というのも当時、私にとって非常に興味深い話でした。問題提起型の典型です。

以上、初回をざっと取り上げました。
ほかにも多々、視点があるので、次回以降、また取り上げていきます。
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高橋 翔吾|Z Venture Capital(@takasho1222)さん / Twitter


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