❨581❩1973.4.3.火.晴／ヤラレタ！悪人面で人はだませないが、善人面が出来る奴程憎いものはない／バランキージャ:コロンビア(Barranquilla:Columbia)

ヤラレタ！チクショウ！！
考えた末、昨日ドミニカ行きの飛行機の切符を買い、今日乗る予定だった。

ひょんな事で知り会った男に、今夜ドミニカ行きの船が60ドルであるが、よかったら乗れと言われた。
空の方は、112ドル。キャンセル料を取られても40ドルは浮くと思い、早速キャンセルに 走った。

それからその男と一度、船長だという男の家へ行き、乗船の時間になるまでそこで休んだ。そこで、船賃60ドルとは別に、60ドル船長が船で返すからと云って、貸してやったのがまずかった。

町へ出て、お茶を飲みに店に入った時、上手に三人に逃げられた。
約2時間の熱演にダマされた。

これでメシを食っている奴等で、俺はその食われるカモだった訳だ。欲が招いた災い。
高いコロンビア出国になった(合計260ドル)。

実際頭に来ているが、こんな事で人を疑うようにはならない。もっともっと人を観る目が 必要だ。二時間も接していて、見抜けなかった事が残念だ。
人の親切を信じてやった事だが、俺が間違っていたのだろうか？悪人面で人はだませないが、善人面が出来る奴程憎いものはない。
貴重な金を盗られたが、俺は、自分をけなしたくない。

しかし、三人組のあの大人しい男もグルとは、どうしたものか？奴等の芝居は実に巧妙であり、筋書きも大したもんだった。
プロとはあんなものか？

もし、あまり疑うことを知らない者なら当然こうなっただろう。
俺は、あの時ヤラレタ！と思ったが、まず気の落ち着きを考えた。もう金は戻らない。
ならば、次にする事は何か？そう思ってすぐ、飛行機の切付を戻すことにした。

また夕方、エージェンシーへ足を運んだ。
担当の女性がビックリしていた。

今夜は全くガックリきたが、彼女が親切にも、家に泊まるようにと云ってくれた。
泣き面に仏か？
中国レストランで夕食を一緒にする。

全く、全く問題の多い一年だこと。
どうも今年は、試練の年らしい。少し位の損は覚悟で最善の努力をしてみよう。

当たって砕けろ！