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Reefと私の物語 〜Set the Record Straight〜

Reef
イギリスのバンド、
1995年にアルバム「Replenish」を、
1997年にアルバム「Glow」を発表。
アルバム「Glow」には、Reefといえばこれ!という曲「Place Your Hands」が入っている。



1996年、広島、
高校生になった私は、軽音楽部に入った。
目の前で見る先輩たちの演奏は、
ある意味で、テレビで見る好きなミュージシャンよりも刺激があった。
高校生という時期、
上級生は妙に大人びて見え、
自分達がカッコイイと思う曲を堂々と思い切り演奏するその姿は、
私の心を打った。
みんな純粋だった。

軽音楽部内で特に流行っていた曲は、
AEROSMITH の Eat The Rich
Mr.Big の Green-Tinted Sixties Mind
Red Hot Chili Peppers の Stone Cold Bush
などである。
みんなこぞって練習していた。

そして、存在感抜群だったのが、Reefである。

3年生が演奏するReefが、とにかくカッコよかった。
ロン毛がマジでよく似合っていたI先輩の歌声・歌い方と、
背が高くブルースが大好きなK先輩の弾くギターは、
これでもか!というくらいReefにマッチしていた。

私は、当たり前のように「Replenish」と「Glow」のCDを買い、
何度も聴いた。

Reefというバンド、
男気があって、シンプルなんだけど、唯一無二の音を出していて、
似ているバンドが浮かばないというのが、ホントに貴重で価値があると思う。

高校生という早い段階で、Reefという良いバンドを好きになれて良かったなと、私は思っている。

その後、2000年にReefは、Getawayというアルバムを発表。
このアルバムの1曲目は、Set the Record Straightというシングル曲。
私は当時ベーシストだったのだが、上記の先輩2人に誘われて一緒にバンドを組み、とある学園祭でこのSet the Record Straightという曲を演奏した記憶がある。野外だった。このときレッチリのAround The Worldも演奏した。気持ちよかった。

ちょっと話の流れが変わるのだが…

2000年というのは、私にとっては、人生の節目というか、
いろいろ思い悩むことが多かった時期。
毎日、大学ノートを目の前にし、
頭の中のモヤモヤしてる違和感に言葉を当てはめるべく、
文字を書き続けていた。
自分はどうしたいのか?これからどうするのか?
研ぎ澄ましていっていた。
そして、こういう思いを持つようになった。
「必要のない嫌な思いは、もう見たくもないし、したくもない」
と。

悲しみを乗り越えたり、
恐怖に打ち勝ったり、
怒りのエネルギーを上手に未来への行動のガソリンに変換したり、

そういう辛さ・苦しさ、すなわち生きていく上で、避けては通れないモノ、
そういう嫌な思いは仕方ない、
甘んじて受け入れるさ。

でも、
この世界に蔓延する「誤解」、
「誤解」から生まれる嫌な思い、辛い思い、苦しい思い、
それらは、くぐり抜ける必要ないじゃん?

偏見とか、差別とか、マイノリティな存在を見下すとか、
それらは根強い歴史から来るものかもしれないけど、でも、「誤解」を解くことで変えていけるはずじゃん?
そこを諦めて必要のない嫌な思いをしつづけるなんて、
俺には耐えられない…

よし、
俺は、
この世界から「誤解」をなくしていく人になろう、
この世界のあらゆる「誤解」を解いていく人になろう、

と、
19歳の私は、マジで思っていた。
誰にも言わなかったけど。

その後、20代後半でカウンセリング心理学に出会い、
考え方が進化するにつれ、
目標もアップデートされ、
「誤解を解く」から「人の心を整える」へ上書き保存、
「誤解を解く」というキーワードは、いつしか私の頭の中から抜け落ち、
思い出すこともなくなった。
そして、
それからもう10年近く経つのだが…。



この写真↑↑、
今現在の私の部屋の壁である(壁というかドアか…)。

ポスター。

時はさかもどるが、
2001年か2002年のある日、
広島パルコのスペース8階に期間限定で入っていたRockなお店で、Reefのシングル「Set the Record Straight」のポスターを見つけた。
そう、2000年に野外で演奏したあの曲のポスターである。

カッコイイ…。

一目ぼれであった。即購入。

(拡大したもの↓↓)

Rockなポスターといえば、シド・ヴィシャスや、クラッシュのLondon Callingのポスターが、私なんかはパッと頭に浮かぶのだが、
それらに負けず劣らずのカッコ良さ。
写っているのが、ギタリストではなくベーシストっていうのもGood。
ロン毛に隠れて顔はあまり見えないが、
口許やたたずまいは、
漫画スラムダンクで赤木がリバウンドを取って地に降り立つ瞬間のような力強さ・迫力がある。
素晴らしい瞬間をカメラに収めたもんだ。

このポスターが私は大好きで、
買って以来、
ずーーーーっと、部屋に貼っている。
引っ越しても必ず、部屋に貼っている。
かれこれ20年。



さて、
去年だったか、
ネットニュースで、

「あなたの英語、大丈夫?『 Set the Record Straight 』の意味わかってる?」みたいな見出しを発見した。

その時点で、
私は、自分の間抜け具合に少しばかり狼狽したのだが、
2000年にReefのアルバムにて初めてSet the Record Straightというタイトルを目にしたときから、このときまでの約20年、
私は、Set the Record Straightというのは、
『レコードをスコーン!と気持ちよくデッキにセットしてウキウキ音楽を聴こうぜ!』
的なことだと、何の疑いも持たず思っていたのである。
間抜けである。

「えっ?何?どういう意味なの?」とそのニュースの見出しから中に入っていくと、

「誤解を解く」

って意味だと。

と、ここで私の頭に、よみがえってくるものがあった。

そう、
19歳の頃に誓った私の思い、人生の目標である。

『あぁ、なんだ、俺は、あのとき誓った思いを、この20年間、ずっと、自分の部屋に掲げていたのか…』

『誰にも言わず頑張ってきたけど、なんだ、ずっと、Reefが「おまえは間違ってないぜ」と見守り続けてくれてたんだ…』

そう思った。

…。

何かよくわからんけど、今これ書きながら、涙が出てきた。込み上げてきた…。
過去の自分の頑張りに感極まってしまった。


Reefよ、ありがとう。
Reefとの出会いをくれた先輩方よ、ありがとう。
ポスターを販売した人、ありがとう。
いろんな縁と、偶然と。


読んでくれた方、ありがとうございます。
これにて「Reefと私の物語」はお終いです。


ちなみに、
Reefの、2013年頃のLive、↓↓
やっぱカッコイイ。
この曲は、私のReefとの出会いの曲。
高校1年生のときに先輩が演奏するReefを初めて見たときに先輩がやってた曲。


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