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鍛冶屋の仕事 Vol.2|地元の産業を未来へ紡ぐ。富士山ナイフ青紙リリース

 ぼくが通うワークショプが、クラウドファンディングを開始した。

 2018年7月に、兵庫県小野市で刃物職人の育成工場「MUJUN Workshop」を立ち上げた合同会社シーラカンス食堂 (本社:兵庫県小野市/代表社員:小林新也)は、職人をさらに増やすことを目的に、これまで主力商品にしていた富士山ナイフの新バージョンをクラウドファンディング(Makuake)でリリースした。売上を後継者育成に活用する。

 少し前の時代まで、職人の世界では親方に弟子入りするかわりに、食事と寝床、そしてたまに小遣いをもらいながら技術を習得するというシステムで成り立っていた。

 が、日本の近代化以降、この方法が成り立たなくなり伝統が途絶えつつある。これは播州の刃物産業だけの話ではない。

 しかしここにイノベーションを起こし、後継者育成を2018年からスタートしたのがシーラカンス食堂だ。

 ぼくたちが目指すのは、総火造鍛造、自由鍛造ができる刃物鍛治を再生すること。注文次第でどんな道具も作ってしまう、ひと昔前の鍛冶屋のスタイルである。大量生産ではなく、少量多品種により各分野の道具づくりを助ける本来の姿——

 ただ、これを目指すにはとても時間がかり、継続させるのは経済的に難しいと考えた。そこで海外流通路を持つシーラカンス食堂ならではの強みと、刃物作りの練習を兼ねて、富士山ナイフを製造することに。MUJUN Workshop の仕組みと連動して生まれたのがこの商品である。

 富士山ナイフ青紙の切れ味や使い心地、見た目の美しさは、実際に製造しているぼくが太鼓判を押す。日常やアウトドアのあらゆるシーンに、ぜひ手元においていただきたい。


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